安倍前首相 任意聴取
政界の反応は

「桜を見る会」の前日夜に開催された懇親会をめぐる問題で、東京地検特捜部が21日、安倍前総理大臣本人から任意で事情を聴いたことが関係者への取材で分かりました。特捜部が安倍前総理大臣から任意で事情を聴いたことについて、政界の反応です。

自民 二階氏「国会での説明 本人の対応を待ちたい」

自民党の二階幹事長は、記者会見で「事情聴取については聞いていない。国会での説明などは安倍氏本人が考えているだろうから、それを待ちたい」と述べました。

また、菅政権に与える影響について二階氏は「全くないとは言わないが、十分に心得て対応していくことが大事だ」と述べました。

自民 世耕氏「検察の判断を注視」

自民党の世耕参議院幹事長は、記者会見で「まだ検察の捜査の結論が出ておらず、その内容によって対応が変わってくる面もある。検察の判断を注視し、タイミングが来れば、安倍氏がきちんと説明するということに尽きる」と述べました。

加藤官房長官「政府として答えは控える」

加藤官房長官は、午前の記者会見で「捜査機関の活動なので、政府として、答えは控えさせていただきたい」と述べました。

また、記者団が「安倍前総理大臣は、どのような場で国会に説明すべきか」と質問したのに対し「国会の運営ということでの質問だと思うが、どういう形で開催されるのかということなどについては、まさに国会でお決めになることと承知している」と述べました。

自民 森山氏「国民の理解が得られる方向で」

自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し「この問題は、検察が一定の結論を出した後に、いろいろなことが始まると理解している。安倍氏がどう対応するかもあるし、国民の理解が得られる方向でやることが大事だ。安倍氏も『誠意を持って対応したい』と述べているので、それも踏まえて国会対応を考えたい」と述べました。

一方で、野党が求める安倍氏の証人喚問については「なじまないと思う」と述べました。

立民 福山氏「知らなかった 通用しない」

立憲民主党の福山幹事長は、記者団に対し「検察が前総理大臣の聴取をするまでに至っているということは、大きな問題だ。1日も早く国会に出てきて国民に説明してもらいたいし、『秘書が自分にうそをついていたので知らなかった』などという言い訳は到底通用しない。虚偽答弁をし続けてきたわけだから当然、公開の場で説明をいただかなければ納得できない」と述べました。

立民 安住氏「速やかに公開の場で説明を」

立憲民主党の安住国会対策委員長は、国会内で記者団に対し「本人が国会での説明責任を果たしたいと言ってる以上、速やかに機会を設けたい。安倍氏は、国会で118回、事実と違う答弁を続けてきたので、きっちりと責任を取ってもらう。非公式の場での説明では国民は納得しないので、とにかく公開の場での説明を要望する」と述べました。

公明 山口氏「捜査結果 見極めたい」

公明党の山口代表は、記者会見で「全体としての捜査結果がどうなるかを見極めたい。安倍氏は誠実に対応するという趣旨のことをすでに述べており、捜査結果を見極めながら、国会で検討していくことになるだろう」と述べました。

維新 片山氏 証人喚問「賛成ではない」

日本維新の会の片山共同代表は、NHKの取材に対し「安倍氏が事実を知らなかった可能性があるので、事情を皆が納得できるよう、本人が詳しく説明しないといけない」と述べました。
一方で証人喚問については「賛成ではない。議院運営委員会などの場で公開で行うべきだ」と述べました。

共産 小池氏「証人喚問の必要性 強まる」

共産党の小池書記局長は、記者会見で「7年8か月にわたって、総理大臣を務めてきた人物が、捜査当局からの聴取を受けたという事実は極めて重大だ。国会の場に安倍氏が出てきて、証人喚問でこの問題を明らかにする必要性がいよいよ強まったと考える。これ以上、うそをつけない場で真実を語るというのが、政治家として取るべき態度ではないか」と述べました。

国民 玉木氏「国会で説明責任果たすことが不可欠」

国民民主党の玉木代表は、記者団に対し「安倍前総理大臣は『事務所の関与はない。明細書や費用の補填(ほてん)もない』と言ってきたが、結果としては全部あった。刑事責任と同時に、国会の場でしっかり説明責任を果たすことが不可欠で、国会招致を強く求めたい。その際は密室ではなく、公開の場でやるべきだ」と述べました。