感染過去最多の埼玉
「正念場」大野知事

18日、1日としての新型コロナウイルスの感染者が過去最多となった埼玉県の大野知事は18日夜、記者会見で「危機的な状況が続いていて、正念場だ」と述べ、今後、高齢者施設などで相次いでいる感染者の集団=クラスターへの対策を徹底する考えを明らかにしました。

埼玉県内では18日、1日の感染者としてはこれまでで最も多い126人の感染が確認されたことが発表されました。

県は18日夜、医師や県の幹部などが参加する専門家会議を開き、感染者が増加傾向にあることや、高齢者施設などで相次いでいるクラスターなどの状況を分析し、今後の対応を話し合いました。

会議のあとの記者会見で大野知事は「大変危機的な状況が1週間ぐらい前から続いていて、正念場だ。重症化が懸念される高齢者や障害者の施設で大きなクラスターを起こしてはならない。優先的にこうした対策に取り組みたい」と述べました。

そのうえで大野知事は、来週、高齢者施設などの関係者を集めた会議を開いて、クラスターが発生した施設の検証で得られた教訓を広く知らせるなど、対策を徹底していく考えを示しました。

自宅療養者に無料で食料の「置き配」

埼玉県は新型コロナウイルスの感染が確認され、自宅で療養をしている人に対し、無料で食料品を玄関先などに届けるいわゆる「置き配」の取り組みを始めました。

新型コロナウイルスへの感染が確認された人で軽症や症状のない人は、原則、ホテルなどの療養施設で過ごしますが、家族に介護が必要な人や小さい子どもがいるなどホテルで療養できない人は、自宅で療養しています。

17日現在、埼玉県内では66人が自宅療養となっていて、埼玉県は、18日からこうした人に対し、無料で食料品を届ける取り組みを始めました。

届けるのは米やパスタ、レトルト食品、それにゼリーなど3日分から5日分の食料品です。

感染予防のため、保健所から依頼を受けた配達業者が手渡しせずに、玄関先などに置いておく「置き配」で届けるということです。

また、食料品以外にもバランスのよい食事をとるための献立表や容体の急変に備え血液中の酸素濃度を測定する機器も一緒に届けるとしています。

埼玉県は、およそ2200人分を想定し、配達などの費用と合わせ1億3000万円余りの予算を計上しています。

埼玉県食品安全課の吉永光宏課長は、「少しでも自宅で療養する際の不安を払拭(ふっしょく)してもらい療養に専念していただきたい」と話していました。