「最終処分場のあてないのに
再稼働では核のごみ増える」

いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐり、調査の受け入れが決まった北海道寿都町で、小泉純一郎元総理大臣が講演し、どこにも最終処分場がない中、核のごみを増やしてはいけないとして原子力発電所は再稼働させず、早期に無くすべきだという自身の考えを改めて示しました。

小泉純一郎元総理大臣は、いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐり、10月第1段階の文献調査の受け入れが決まった寿都町の住民団体の招きで訪れて講演しました。

この中で小泉元総理大臣は、建設が進められているフィンランドの最終処分場は地下400メートルの岩盤に設けられていることに触れた一方で、地震や火山もある日本は処分場を選定するには厳しい環境だという認識を示しました。

そのうえで「日本には最終処分場のあてがない状況だから、原発を再稼働させてはいけない。また『核のごみ』が増える。できるだけ早く原発ゼロの方向にかじを切らなければいかんということをこれからも言い続けていきたい」と述べました。

講演を聴いた町内の80代の男性は「原発には危険もあると思った。調査に賛成の町民も反対の町民もしこりを残さないで勉強していきたい」と話していました。