首相「デジタル庁 規制改革
断行の突破口に」衆院予算委

国会では、2日から衆議院予算委員会で質疑が始まり、菅総理大臣は、政府が創設を目指す「デジタル庁」について、行政の縦割りを打破し、規制改革を進める突破口と位置づけたうえで、社会全体のデジタル化を進めるため必要な権限を付与していく考えを示しました。

「デジタル庁」

この中で、自民党の下村政務調査会長は、政府が創設を目指す「デジタル庁」について、「強力な司令塔機能を持たせることによって、施策を実行に移す必要がある。関連予算の一元化や抜本的な人員数の確保などで、さまざまな抵抗や反発も予想される。断固たる覚悟で各省庁の権限移譲に取り組む必要がある」とただしました。

これに対し、菅総理大臣は「役所に行かずともあらゆる手続きができる、地方にいながら都会と同じような生活ができる。こうした社会の実現を目指し、官民のデジタル化を加速していく。そのために、行政の縦割りを打破して大胆に規制改革を断行する突破口として『デジタル庁』を創設する。社会全体のデジタル化に責任を持って取り組むために、各省庁が持っている権限を含めて権限をしっかりと付与していく」と述べました。

「自助・共助・公助」

自民党の小渕元経済産業大臣は、目指すべき社会像について、「菅総理大臣のいう『自助』とは、『うまくいかなかった人は、すべて自己責任だ』というような冷たい自己責任論ではなく、うまくいかなかったときは、『共助』『公助』で支え合っていこうということだと理解している。見解を伺いたい」とただしました。

これに対し、菅総理大臣は「目指す社会は、『自助・共助・公助』、そして『絆』だ。まずは自分でやってみる、国民の皆さんの創意工夫を大事にしながら家族や地域で助け合っていく。そして最後は、国がセーフティネットで守ってくれる、そうした国家をつくっていきたい。セーフティネットがしっかりしている、安心、信頼される社会が大事だ」と述べました。

「温室効果ガス」

自民党の山際大志郎氏は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを目指す政府の方針について、「エネルギーはずっと安全保障そのものだった。経済安全保障の観点からもエネルギー政策を考えていかなくてはいけない」と指摘し、見解をただしました。

これに対し、菅総理大臣は「いつの時代も、エネルギーの確保は、常に重要な課題になっている。2050年の『カーボンニュートラル』を実現するために、まずは内閣全体で取り組んでいく。電源についても再エネだけでなく、原子力を含めてあらゆる選択肢を追求していかなければならない。エネルギー政策について、経済安全保障の観点も含めて集中的に議論して結論を出していく」と述べました。