神戸市教委から学校へメール
半年で約3700件

神戸市教育委員会が各学校に送った事務連絡などのメールが半年間で3700件近くに上ったうえ、その4割が内容が分かりにくかったり添付ファイルが多すぎたりする問題があったとして、神戸市は学校現場に負担をかけないよう改善を求めました。

神戸市は、教員の長時間労働の原因を探ろうと、教育委員会の事務局が市立の小中学校や幼稚園などに送った事務連絡などのメールを調査しました。

その結果、ことし3月から8月までの半年間に合わせて3687件のメールが送られ、このうちの4割に業務上の負担を増やすような問題があったということです。

具体的には、1件に20を超えるファイルが添付されていたり、本文に結論が書かれていなかったりして、読んで理解するのによけいな手間や時間がかかるメールなどがあったということです。

このため神戸市は6日、教育委員会に対し、今後不要な送信を減らし、メールの件数を3割、添付ファイルを6割削減するよう改善を求めました。

神戸市の久元市長は、会見で「学校が新型コロナウイルスの対応で苦労していた時期に膨大なメールが送られ、さらに負担となったのではないか。教頭、校長の膨大な業務が明らかになったので改善してほしい」と話しました。

神戸市教育委員会の長谷川達也次長は「働き方改革に力を注いできたが、調査結果にショックを受けた。負担の軽減に早急に取り組みたい」と話しました。

「21のファイル添付」や必要な情報が本文にないメールも

神戸市は、職員3人を調査担当にして、教育委員会事務局がことし8月までの半年間に市立学校に送ったすべてのメールを調べました。

調査結果によりますと、メールの件数は合わせて3687件に上り、1日平均で30件が送られていたということです。

このうちの4割に内容や形式に不備があり、受け取った学校の教員によけいな手間や時間をかける結果になったと指摘しています。

ことし3月に送信された部活動の外部指導員に関する連絡では1つに圧縮した形式で21のファイルが添付され、すべてを開いていると膨大な時間がかかるとしています。

また、「4月1日開催予定の式典について」という件名のメールでは、本文には「別添のとおり通知します」とだけ書かれ、添付ファイルを開けるとようやく式典が中止になったことが分かります。

神戸市は、結論はタイトルや本文に記すべきだとしています。

さらに、全く同じ内容の通知が複数添付されていたり、「お疲れ様です」などとあいさつの文言が長く、必要な情報が本文に書いてないメールも散見されたということです。

神戸市は、指摘をもとに教育委員会に具体的な改善策を示すよう求めることにしています。

専門家「メール処理の効率化必要」

教員の働き方について詳しい兵庫教育大学の川上泰彦教授は「教員は指導内容の多さや部活の指導などで仕事時間が長い。合わせてメールの事務処理も多忙の要因だ。本来の業務に加えて、膨大なメールの処理に追われることは疲労や心理的なプレッシャー、それにストレスにつながり、働き方改革が求められる中で合理的ではない」と指摘しています。

さらに、「本当に重要な連絡が埋没してミスにもつながりかねない。事前に選別できるのであれば量を減らすか、各学校内でメールをさばく中間処理役を立てるなど、処理の効率化を図ることが必要だ」と話しています。