井前法相夫妻 初公判
地元や政界の反応は

河井克行前法務大臣と妻の案里議員が25日の初公判で無罪を主張したことについて、地元・広島県や、国会での反応です。

広島県議会 中本議長「反省してほしい」

自民党広島県連の副会長を務める広島県議会の中本隆志議長は、記者団の取材に対し、「本人が無罪を証明する材料は、なかなか乏しいと個人としては思う。言い訳が通用するのか、大変疑問に思う。河井夫妻には、反省してもらいたい」と述べました。

一方、検察が冒頭陳述で現金の提供先と認めた人の実名を読み上げたことについて「私としても重く受け止め、残念に思う。裁判の中で登場人物として出ているので、しっかりと説明責任を果たしてほしい」と述べました。

広島県 湯崎知事「早期の事実解明を」

広島県の湯崎知事は、記者団の取材に対し、「早期に裁判が進行して、事実が解明されることを期待している。無罪主張ということであれば、いろんな疑問があるので、有権者や国民に明確な説明責任を果たしてほしい」と述べました。

一方、河井議員夫妻から現金を受け取ったとされる議員に対しては、「受け取った側も有権者の皆さんに説明責任を負っているので、それを期待したい」と述べました。

国民 広島県連幹事長「憤りを感じる」

国民民主党広島県連の福知基弘幹事長は、NHKの取材に対して「適切に現金が供与されたのであれば、それを証明する領収書などもあるだろうし、そのような説明もしてこなかった。無罪を主張するのは、おかしいし、罪を認めるべきだと思う。2人はこれまでに説明するといいながら、何もしてこなかったことに憤りを感じる。裁判が始まったからには事実を明らかにして説明責任を果たすべきだ」と述べました。

自民 世耕氏「十分説明なく遺憾」

自民党の世耕参議院幹事長は、記者会見で「報道を通じて裁判の概要を聞いたが、あのような説明を自身のことばで、事前に記者会見などでしておくべきだった。世の中に対して十分な説明がなかったことは遺憾だ」と述べました。

そのうえで、記者団から2人が議員辞職すべきか問われたのに対し、世耕氏は、「無罪を主張していることは踏まえなければいけない」と述べました。

菅官房長官「コメントは差し控えたい」

菅官房長官は、閣議のあとの記者会見で、「現在、公判継続中の個別の事件なので、コメントは差し控えたい」と述べました。

公明 山口氏「道義的に極めて遺憾」

公明党の山口代表は記者会見で「地方議員や首長など多くの関係者を巻き込み、大きな影響を与えているにもかかわらず、十分な説明責任も果たされていない。少なくとも道義的責任の見地から極めて遺憾なことで、事実関係を徹底して明らかにしてもらいたい。罪に問われている事実が証明されれば議員の職にとどまることは到底許されず、今後の裁判を注視したい」と述べました。

そのうえで「自民党が案里氏側に1億5000万円の資金を提供したと言われているが、党としても説明責任が求められている。大きな政治不信を招いたとすれば、政治資金のありようについて徹底した取り組みが必要になる」と指摘しました。

立民 福山氏「辞職を 国民納得せず」

立憲民主党の福山幹事長は、国会内で記者団に対し、「河井夫妻は、自民党本部から振り込まれた1億5000万円をどう使ったのかなど、何一つ説明をしていない。また、安倍総理大臣も自民党も何ら説明しておらず、わからないことだらけだ。河井夫妻は、議員辞職すべきで、このままでは、国民は納得しない」と述べました。