解除の際は社会経済
活動再開へ考え方示す”

大阪など関西で緊急事態宣言を解除したことを受けて、西村経済再生担当大臣は、経済3団体のトップとテレビ会議を行い、東京などすべての地域で宣言を解除する際には、社会経済活動の再開に関する基本的な考え方を示す方針を伝えました。

この中で、西村経済再生担当大臣は、東京など首都圏と北海道で緊急事態宣言を継続したものの、感染者の減少傾向や医療提供体制の改善が続けば、来週25日にも解除する方針だと説明しました。

そのうえで、「すべて解除されることになれば、大規模イベント、都道府県をまたぐ移動、観光振興をどのように進めていくのか、基本的対処方針の中で示したい」と述べ、すべての地域で宣言を解除する際には、社会経済活動の再開に関する基本的な考え方を示す方針を伝えました。

そして、「第2次補正予算案の編成作業を急いでおり、今月27日ごろには決定し、速やかに国会に提出して早期成立をはかりたい。また、今回の経験を一気に社会変革を進める契機にしたい。骨太の方針や成長戦略の7月半ばの取りまとめを目指し、議論を深めていきたい」と述べました。

これに対し、経団連の中西会長は、「海外の状況を見ていると、まだまだ気を抜けない。日本は、貿易を含め海外への依存度が相当大きく、経済の在り方を見直し、しっかりと歩みを進めていかなければならない」と指摘しました。

このあと西村大臣は、全国知事会の飯泉会長ともテレビ会議を行い、「宣言を解除した関西圏も含め、今月末までは県をまたぐ移動は控えてもらうようお願いしている。ウイルスは、どこに潜んでいるかわからず、警戒は怠らないようお願いしたい」と協力を要請しました。

また、自治体などが大幅な積み増しを要請している「地方創生臨時交付金」について、第2次補正予算案で増額を検討していることを伝えました。

これに対し、飯泉会長は、「いよいよ出口が見えてきた感もあり、『アフターコロナ』にも視点を置く、新たなフェーズに入っていく。多くの業態で影響が出ているので、仕事を作っていくことが必要だ」と指摘しました。

西村経済再生相 宣言解除後の飲食店支援策など検討

西村大臣は、記者会見で、東京など首都圏の1都3県と北海道の緊急事態宣言が解除された場合の対応について、「どのくらいの規模のイベントをいつごろからどういう形で行えるかや、県と県をまたいだ移動をどう考えるか、観光キャンペーンはどのタイミングでどういうやり方ならいいのかなど、基本的な考え方を示したい」と述べました。

また、「飲食店のテイクアウトやデリバリー、あるいは、前売り券として食事券を発行する取り組みなどを応援できないか検討し、適切なタイミングで、適切な支援策を講じていきたい」と述べました。

経済再開は感染防止策徹底しながら 経団連会長

政府が東京などの首都圏や北海道の緊急事態宣言の解除について来週25日にも判断する方針を示していることについて、経団連の中西会長は記者団の取材に対し、経済活動の再開は感染防止策を徹底しながら注意深く行う必要があるという認識を示しました。

この中で、緊急事態宣言が東京などすべての地域で解除された後の経済活動再開の在り方について、中西会長は「いきなり満員電車がいっぺんに復活するのは、大変危険だ。注意深くやらなければならない」と述べました。

そのうえで、中西会長は、「在宅勤務ができる人たちは、必ずやり、出勤しなければならない場合は時差通勤をするとか、三密を避けるためのいろいろな配慮をしながらやっていかなければならないと思う」と述べ、緊急事態宣言の解除後も人との接触を削減する取り組みを継続し、感染防止策を徹底すべきだという考えを強調しました。

首都圏と北海道 25日に判断

菅官房長官は、閣議のあとの記者会見で、緊急事態宣言が継続している東京など首都圏と北海道について「新規の感染者数は確実に減少しており、医療のひっ迫状況も改善傾向にあるため、週明け早々の25日に専門家に改めて状況を評価してもらい、可能であれば31日の期間満了を待つことなく解除する考えだ」と述べました。

また、記者団が「残る地域を解除すると決めた場合は、安倍総理大臣が記者会見で説明するのか」と質問したのに対し、菅官房長官は「それは当然だ」と述べました。