セクハラ報道「調査
進め方問題ない」麻生氏

財務省の福田事務次官が女性記者にセクハラ発言をしていたという週刊誌の報道について財務省が、顧問弁護士に調査を委託したのは公平ではないという指摘が広がっています。麻生副総理兼財務大臣は「女性が名乗り出やすいよう第三者の女性の弁護士も入れて対応する」と述べ調査の進め方に問題はないという認識を示しました。

この問題で、福田次官は報道の内容を否定していて、財務省は、事実を明らかにするため顧問契約を結んでいる弁護士事務所に調査を委託し、女性記者にも調査に協力してくれるよう異例の呼びかけをしています。

麻生副総理兼財務大臣は17日朝の閣議の後、記者団に対して、調査について「福田次官の話だけでは一方的になりかねないし、被害を受けた方が訴えてきているわけでもない。役所の調査では信用できないと言われるので第三者の弁護士にやってもらう」と述べました。

また財務省の顧問弁護士が調査するのは公平ではないという指摘に対しては「女性が名乗り出やすいように第三者である女性の弁護士も入れて対応する」と述べ、調査の進め方に問題はないという認識を示しました。

一方、麻生副総理は女性記者から連絡がなければセクハラの事実を認定しないつもりなのかという質問に対して「相手の女性が申し出てこないとどうしようもない」と述べて、女性記者の話を聞けなければセクハラがあったかどうか認定できないという認識を示しました。

財務省 異例の調査 協力要請の内容は

週刊誌の報道を受けて、財務省は、報道各社の女性記者に対して異例の調査に協力するよう要請しています。

「福田事務次官に関する報道に係る調査への協力のお願い」という表題の要請は、16日、財務省の記者クラブ・「財政研究会」に加盟する報道各社宛てに出されました。

要請では、福田次官への調査だけでは事実関係の解明は困難だとして週刊誌の報道のようなやり取りをした女性記者がいれば、調査に協力してほしいと呼びかけています。

また協力してくれる人の不利益にならないよう責任をもって対応すると説明しています。

一方、対応には財務省が直接かかわらず、財務省が顧問契約を結んでいる東京中央区の弁護士事務所に委託し、協力してくれる場合は直接、事務所に連絡してほしいとして担当する弁護士の名前や電話番号などを示しています。

官房長官「財務相が必要な対応行っていく」

菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、「財務省において事実関係を解明するための調査を進め、任命権者である財務大臣が必要な対応を行っていく。まずその点に委ねたい」と述べました。

また、菅官房長官は、財務省の対応を批判している野田女性活躍担当大臣と閣議のあとに面会したことを明らかにしたうえで、「財務大臣のもとで調査を行って対応していくことを野田大臣に申し上げた」と述べました。

公明 山口代表「誠実に説明責任を」

公明党の山口代表は記者会見で、「財務省がいろいろ熟慮したうえで対応を発表したということなので、成り行きを見守りたい。いずれにしても、これは当事者しかわからないところがあるので、渦中の福田事務次官も含めて、政府として、財務省として、誠実に説明責任を尽くしてもらいたい」と述べました。

希望 泉国対委員長「ありえない調査のしかた」

希望の党の泉国会対策委員長は記者会見で、「セクハラの被害者や情報元とされる方に『名乗り出ろ』というのは、ありえない調査のしかたで、乱暴な行為だ。『名乗り出なければ、事実ではない』ということがまかり通っては絶対にならない。福田事務次官の発言が本当なら、誰に対する発言であっても、十分、セクハラであり、何の処分も行おうとしない麻生財務大臣や菅官房長官の責任も問われる」と述べました。