症者 家庭内感染防止で
支援強化 ホテルで療養促す

東京都の小池知事は、新型コロナウイルスに感染したものの入院の必要がないと判断された軽症や症状のない人について、家庭内での感染を防ぐため、子どもや高齢者、障害者などがいる家庭のサポート体制を強化して、都が用意したホテルでの療養を促していく考えを示しました。

東京都の小池知事は午後2時から開かれた記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための都の対策になどについて説明しました。

この中で小池知事は、感染したものの入院の必要がないと判断された軽症や症状のない人について「基本的にこれまで自宅にいたい方々が多かった。面倒みなければならない人がいるなど、それぞれのご事情があった」と述べ、都が用意したホテルではなく自宅での療養を希望する人が多い現状を説明しました。

このための対策として小池知事は「保健所と児童相談所が連携して子どもを医療機関などで一時的にお預かりする。検査を行って陰性の場合は児童相談所などでお預かりする。自宅で高齢者や障害者の介護をしている場合、ホームヘルパーなど必要なサービスを紹介する」と述べました。

また「ペットがいて預け先がない場合、都の専用ダイヤルに相談してほしい。都動物愛護センターで一時的にお預かりする」と述べ家庭内での感染を防ぐため、子どもや高齢者、障害者などがいる家庭のサポート体制を強化して都が用意したホテルでの療養を促していく考えを示しました。

一方、今月6日が期限となっている緊急事態宣言を政府が延長する方針であることについて、小池知事は「国は科学的な指標などを考慮したうえで、専門家の意見も十分に踏まえて決定するのではないかと思う。国の方針に照らし合わせながら、これからの東京都としての在り方について考えていきたい。緊急事態宣言の解除の方法も、エビデンスなどをはかりながら考えていくものだと理解している」と述べました。

また「いよいよきょうで大型連休は折り返し地点になる。この難局を乗り越るためには、感染拡大を防ぐことを自分のこととして考えていただきたい。皆様のご協力をいただかなければこの闘いは終わりません。ぜひご理解、ご協力いただきたい」と述べて外出を自粛して自宅にとどまるよう改めて強く呼びかけました。

軽症者などの療養ホテルを視察

小池知事は、入院の必要がないと判断された軽症や症状のない人に療養してもらうため、都が借り上げた東京 墨田区にあるホテルを視察しました。

およそ1100ある客室のうち当面は300程度の部屋で、1日午後から受け入れが始まります。

ロビーには感染リスクを抑えるために自動で掃除するロボットや、軽症者らを出迎える案内用ロボットが配置されています。

小池知事はロボットに話しかけたり、体温や体調を看護師に報告するための、アプリの使い方などを確認したりしました。

1日からはこのホテルに加えて、八王子市にあるホテルでも軽症や症状のない人を受け入れるほか、23区内にはすでに3つのホテルで受け入れが行われています。

一方、都によりますと、自宅で療養している軽症や症状がない感染者は、先月28日の時点で少なくとも635人いるということです。

視察を終えた小池知事は都庁で記者団に対し「自宅での療養は家庭内感染のおそれがある。いろいろ工夫しながら進めていきたいと」と述べ、ホテルでの療養を促していく考えを示しました。