述式問題 見直し
「年内に方針」文科相

大学入学共通テストへの記述式問題の導入について萩生田文部科学大臣は、与党側から見直しや延期の検討を求める意見が出ていることを踏まえ、課題の解消に向けた検討を行い、今月中に方針を決めたいという考えを示しました。

再来年1月から始まる大学入学共通テストに導入される国語と数学の記述式問題をめぐっては、民間事業者に委託された採点の質が担保できるのか懸念の声があるほか、試験後の自己採点が困難だという指摘もあり、与党側から見直しや延期の検討を求める意見が出ています。

萩生田文部科学大臣は記者会見で「与党からの要望を重く受け止めていきたい。指摘されている課題に対しどのような改善が可能であるか、大学入試センターや採点業者と連携しつつ、さまざまな方策について検討しており、課題解消に向けて努力を続けている」と述べました。

そのうえで「受験生のことを考えるとできるだけ早く不安を払拭(ふっしょく)できるようにするべきで、大学入学共通テストの1年前には課題への対応策が決まっていなければ不安に感じると考えるので、年内には方針を固めていきたい」と述べ、今月中に方針を決めたいという考えを示しました。

官房長官「安心して受験できるよう文科省が対応する」

菅官房長官は記者会見で「共通テスト記述問題の導入については、採点の質の確保や自己採点の難しさといった課題が指摘されている。現在、文部科学省において円滑な実施に向けて、一つ一つ課題を解消するために、さまざまな改善策が検討されている。いずれにせよ、受験生が安心して受験できることを第1に文部科学省において対応していくものと考える」と述べました。

野党側「速やかに中止を」

大学入学共通テストへの記述式問題の導入をめぐり、野党側は6日も文部科学省の担当者からヒアリングを行いました。

6日は日本維新の会の議員も参加し、議員からは「採点に必要な人数の確保は難しく、質の担保も不可能だ」といった指摘や「試験をこねくり回して受験生を混乱させている」などの批判が相次ぎました。

そして立憲民主党、国民民主党、共産党、社民党の4党は、すでに導入の中止法案を国会に提出しているとして、速やかに中止を決めるよう求めました。