災者支援の強化で
7億円余支出へ 首相

台風19号による甚大な被害を受けて、安倍総理大臣は参議院予算委員会で、被災者支援をさらに強化するため16日、今年度予算の予備費から7億円余りを支出することを決定するとしたうえで、被災自治体に対し必要な財政支援を随時、行っていく考えを示しました。

参議院予算委員会では16日も午前中、台風19号による甚大な被害を受けた質疑が集中して行われました。

この中で、安倍総理大臣は「警察、消防、海上保安庁、自衛隊が、11万人の態勢で、夜を徹して懸命の救命救助活動や行方不明者などの捜索にあたっているほか、氾濫した河川では堤防の仮締め切りや排水ポンプ車による排水作業を実施している。15日までに、16府県58か所の浸水がほぼ解消した」と述べました。

そのうえで安倍総理大臣は、被災者に必要な物資を緊急輸送するプッシュ型支援など、被災者支援をさらに強化するため16日、今年度予算の予備費から、7億1000万円を支出することを持ち回りで閣議決定するとしたうえで「被災自治体が財政上、安心して全力で応急対応や復旧にあたれるよう、そのつど必要な手当てを行っていく」と述べました。

また国民民主党の増子幹事長代行は、激甚災害への指定について、「自治体や地域住民には一刻も早く復旧し、生活を元に戻したいという強い要望がある。さまざまな手続きもあるとは思うが、いつ激甚災害に指定するのか明確にしてもらいたい」と求めました。

これに対し安倍総理大臣は「私が『激甚災害に指定する方向』と言っているので、どうか安心して全力を尽くしていただきたい。ただ法的に、指定には一応、積み上げが必要なので基準を満たしたものから、速やかに指定の見込みを公表していきたい」と述べました。

さらに赤羽国土交通大臣は、被災者の住宅支援について「体育館での避難は極端に短く、その後、普通の住宅に移ってもらうことが大切だ。公営住宅や賃貸住宅の活用のほか、全国におよそ1300戸の空き室も確保しているので、無条件で入れるよう都道府県などに通達を出した」と述べました。