ベリアの遺骨取り違え
14年放置で問題点検証へ

厚生労働省がシベリア抑留者の遺骨を取り違えていた疑いを14年前に把握していながら公表していなかった問題で、加藤厚生労働大臣は「戦没者の遺族の方に対する思いや配慮が本当に十分だったのかもう1度しっかり検証しなければならない」と述べ、これまでの対応に問題がなかったか改めて検証する考えを示しました。

シベリア抑留者の遺骨をめぐっては、厚生労働省がシベリアの合わせて9か所の埋葬地で収集した遺骨について、DNA鑑定した複数の専門家が「日本人ではない」などと厚生労働省に指摘していたことや、取り違えの疑いを少なくとも14年前から再三、指摘されながら公表せず、事実上、放置していたことがNHKの取材で明らかになっています。

この問題について、加藤厚生労働大臣は13日の会見で「遺骨収集事業には単に事務的に作業するのとは違う配慮が必要だ。戦没者の遺族の方に対する思いや配慮が本当に十分だったのか、もう1度しっかり検証しなければならない」と述べ、これまでの対応に問題がなかったか改めて検証する考えを示しました。

そのうえで「これまで収集した遺骨の中には明らかに日本人ではないと分かっているものと、日本人ではない蓋然性が高いものがあり、その整理を進めている。ロシア側と速やかに調整してできるだけ早急に検証結果を公表するとともに、スピード感を持ちながらより正確に遺骨収集を進めていく方策も作り上げていきたい」と述べました。