ベリア抑留遺骨取り違え
の疑い「ロシアと協議を」

厚生労働省の派遣団がシベリアに抑留されて亡くなった日本人の遺骨を取り違えた疑いが明らかになったことについて、菅官房長官は、DNA鑑定の結果を踏まえ、出身地を特定するため、ロシア側との協議を速やかに進めたいという考えを示しました。

終戦直後にシベリアに抑留されて亡くなった日本人のものとして、5年前、厚生労働省の派遣団が東シベリアのザバイカル地方で収集した16の遺骨について、DNA鑑定をした専門家が「日本人ではない」などとする鑑定結果を示していたことが明らかになっています。

菅官房長官は30日午前の記者会見で「専門家によるDNA鑑定で日本人ではない、または日本人でない可能性が高いとの報告があったことは承知している。今後、この結果を踏まえ、厚生労働省が遺骨の出身地を特定するために必要な相手国との協議を速やかに進める」と述べました。

そのうえで、「遺骨収集の在り方については、DNA鑑定の手法などを含め、有識者による検討会を厚生労働省で開催しており、その結果も踏まえて適切に事業を推進していきたい」と述べました。

一方、これまで鑑定結果を公表しなかったことについては「厚生労働省によると、遺骨の出身地の特定は遺骨収集の相手国と協議のうえで決定されるべきもので、DNA鑑定の結果の報告があった時点では公表せず、結果を踏まえて相手国と協議したうえで公表するということだった」と説明しました。