ベリア遺骨「取り違え」
認める 厚労省

厚生労働省の派遣団が、シベリアに抑留されて亡くなった日本人の遺骨を取り違えた疑いがある問題について、29日夜、厚生労働省の担当者が報道陣の取材に応じてNHKが報道した内容の事実関係を認め、今後遺骨を返還するかどうかロシア側と早急に協議していく考えを示しました。

終戦直後にシベリアに抑留されて亡くなった日本人のものとして5年前、厚生労働省の派遣団が東シベリアのザバイカル地方で収集した16の遺骨をめぐっては、DNA鑑定をした専門家が「日本人ではない」などとする鑑定結果を示していたことがNHKの取材で明らかになっています。

NHKの取材に対し、厚生労働省は当初「プライバシーの問題がありお答えできない」としていましたが、29日夜、担当者が報道陣の取材に応じ、一転してNHKが報道した内容の事実関係を認めました。

そして鑑定結果を公表しなかったことについては「厚生労働省の内部で検討している段階だったがスピード感が足りなかった」などと釈明し、今後遺骨を返還するかどうかロシア側と早急に協議していく考えを示しました。

また「ほかにも日本人ではない遺骨が混入しているのではないか」という報道陣の指摘に対しては「日本に持ち帰る過程で必要な手順は踏んでいるが全くないという自信はない」とし、すでに日本に帰還したほかの遺骨についても確認を進めていく考えを明らかにしました。