北海道新幹線事業費4割近く増加見込み 負担のあり方調整へ

北海道新幹線の新函館北斗と札幌の区間の整備について、国土交通省の有識者会議が当初の計画より事業費が4割近く増える見込みだとする報告書をまとめたことを受けて、国土交通省の担当者が北海道の鈴木知事らと会談しました。
負担のあり方については今後、調整していきたいとして理解を求めました。

報告書のとりまとめを受けて、12月8日、国土交通省の上原淳鉄道局長が北海道庁を訪れ、鈴木知事や、札幌市の秋元市長らに説明を行いました。

報告書は、資材価格の高騰に加えて、緩い地盤の補強工事や、トンネルの掘削で発生した土の処理などでコストが膨らむことなどを考慮した結果、事業費はこれまでの計画よりも6450億円程度増える見込みだとしていて、この試算に基づくと総事業費は当初の計画より4割近く増え、2兆3000億円を超える規模に膨らみます。

事業費は一部を道と沿線にある6つの市と町が負担する仕組みになっています。

上原局長は「まだ相当程度の事業期間が残っているので、一定の前提を置いての試算となり、リスク要因なども存在している。財源の構成については今後、北海道をはじめとする関係者と調整していきたい」と述べ、理解を求めました。

鈴木知事は「厳しい財政状況にある道にとっては非常に厳しい結果で、地方の負担も増加することになるとさらに厳しい状況になる。建設財源を十分に確保し、できるかぎり地方の負担を低減するようお願いしたい」と述べ、地元自治体の負担を軽くするよう求めました。

また、2030年度末を目指している開業について、鈴木知事は「札幌市や沿線自治体は新幹線の開業を見据え、街づくりを急ピッチで進めており、JR北海道も開業後の経営の自立を目指して取り組んでいる。計画どおりの完成と開業の実現に向けて工法の工夫などに取り組んでほしい」と求めました。

国土交通省は、今後、地元自治体と負担のあり方などについて協議を進めることにしています。