“子どもの声が騒がしい”公園閉鎖に「解決策見いだせなかった」

長野市の住宅街にある公園をめぐり、長年、1軒の住宅の住民から子どもの声が騒がしいなどと訴えがあったことを受けて、市は公園を閉鎖することを決めました。
市は、「よりよい方策について話し合いを続けたが、解決策を見いだせなかった」としています。

長野市にある公園「青木島遊園地」は、地区からの要望を受けて平成16年に市が整備しました。

周囲には、小学校や保育園のほか学童保育施設の「児童センター」があり、市によりますと、整備当初から1軒の住宅の住民から多くの子どもが一斉に遊んでうるさいとか、敷地に入ったボールを取りに来た子どもたちに、植え込みを傷つけられたなどと訴えがあったということです。

市は、これまでに公園の入り口や遊具の場所を変えたり、消灯時間を早めたりしましたが、この住民からの訴えは続きました。

その後、子どもたちは公園の利用をやめ、訪れる人もほとんどいなくなったため、市は地区の住民の合意を得た上で今月末までに閉鎖することを決めました。

長野市公園緑地課の平澤智課長は「児童向けの施設が複数隣接し、比較的規模も大きいため、騒音が出やすい特殊な公園だ。よりよい方策について話し合いを続けたが、解決策を見いだせなかった。残念だが、苦しい判断で閉鎖を決断した」と説明しています。

騒音を訴えた住民「改善みられず我慢できない日々」

騒音の悩みを訴えていた住民は、NHKの取材に対し「事前の説明がないまま公園が設置されたうえ、隣接する児童センターが50人から60人ほどの子どもたちを一斉に遊ばせるなどしたことで生活環境が変わってしまった。児童センターや保育園などには18年間、改善を求め続けたが、担当者も交代する中、改善がみられず我慢できない日々が続いた。自由に遊ばせるのと好き勝手にするのは違うと思う。うるさく感じるということには理解してほしい」と話していました。

公園の利用者は…

近くに住む40代の母親は「子どもたちの遊べる所がなかなかないし、緑があって貴重な場所なので、近くの住民の気持ちも分かりますが、残してほしいです」と話していました。

公園の隣にあり、利用する子どもたちが公園で遊んでいた児童センターの館長は「送り迎えの時に、保護者に静かにするよう呼びかけてきました。子どもは外で大勢で遊んだほうが楽しいと思いますし、地域の皆さんも残してほしいと思っているので、とても残念ですが、いろいろな事情があるので、やむを得ないと思います」と話していました。

長野市に300件以上の意見

公園閉鎖の判断について、長野市には、これまでにメールと電話で、300件以上の意見が寄せられています。

その多くが、「1軒の意見でなぜ閉鎖するのか」「公園の閉鎖には反対だ」などと市の判断に抗議する内容だったということです。

一方、「私の自宅も近所に公園があって大変な思いをしているので、閉鎖には賛成だ」といった判断を支持する意見もあったということです。

このほかにも、これまでの市の対応を批判する意見もあったということです。