東京 品川区長の再選挙 前回もトップの新人 森澤恭子氏が当選

10月の選挙でいずれの候補者も当選に必要な票数に届かず、首長選挙では都内初の再選挙となった東京・品川区の区長選挙は12月4日投票が行われ、無所属で新人の森澤恭子氏(44)が初めての当選を果たしました。

品川区長選挙の開票結果です。

森澤恭子、無所属・新、当選。4万695票。
石田秀男、無所属・新。2万3208票。
山本康行、無所属・新。2万54票。
西本貴子、無所属・新。1万1386票。
村川浩一、無所属・新。7042票。
石田慎吾、無所属・新。3113票。

品川区長選挙は任期満了に伴いことし10月に投票が行われましたが、いずれの候補者も当選に必要な有効投票数の4分の1に届かず、首長選挙では全国7例目、都内では初めてとなる再選挙となりました。

10月の選挙で最も多い票を獲得していた森澤氏が、今回は当選に必要な票数を超え、初めての当選を果たしました。
品川区では初の女性区長となります。

森澤氏は44歳。
テレビ局などに勤めたあと、2017年から都議会議員を務めました。

選挙戦では、学校給食や第2子以降の保育料などの無償化のほか、高齢者と障害者のグループホームをあわせて200人分整備するなどと訴えました。

森澤氏は「再選挙が決まってから新しいゴールに向かうのは大変で、自分1人の思いでは走り続けられなかった。『品川をよくしたい』と動いてくれたボランティアの人たちに感謝を申し上げたい。これから区民とともに新しい品川区をつくっていきたい」と話していました。

投票率は32.44%で、10月の選挙に比べ、2.78ポイント下回りました。

10月に続いて2番目の得票だった石田秀男氏は、今回の区長選挙について「皆様に大変な支援をいただきながら、このような結果になり、お詫びします。森澤さんが新区長になるのは区民からの支持の結果なので選挙で約束したことを進めていってほしい」と話していました。

敗因については「投票率も下がり、自分の得票も減った中で細かいことは分からないが、自民党色を出したことが影響したわけではなく、すべて私の努力不足、力不足だ。森澤さんへの期待の表れがこれだけの票の差になったと思う」と話していました。

3番目の得票となり、落選した山本康行氏は、「再選挙で新たにチャンスをいただいたとポジティブに活動し、全力でやりつくしたので悔いはないが、結果は残念だ。皆様の熱い応援の気持ちに応えることができず、本当に申し訳ない」述べました。

敗因については、「私の考えや政策を多くの方に伝えてきたが、まだ十分ではなかった。また、再び再選挙となることを区民が望まず、前の選挙で1位だった候補者に票が集中したという考え方もあるのではないかと、率直に思う」と述べていました。

品川区民は…

首長選挙で都内初の再選挙となった品川区長選挙から一夜が明け、区民からはようやく区長が決まったことに安どする声や、新しい区長に期待する声などが聞かれました。

78歳の女性は「2回目では決まってよかったと思います。区長不在の期間があったので、新しい区長には早く公約に着手してほしいです」と話していました。

2人の子どもを育てている32歳の母親は「10月の選挙では投票しませんでしたが、再選挙になり、子育て世代として投票に行かなければと思い投票に行きました」と話していました。

76歳の男性は「候補者みんなが同じようなことを言っていて、訴えの違いをなかなかつかめませんでした。選挙に興味がない人が多く、選挙管理委員会の呼びかけも足りないと思いました」と話していました。