「母子健康手帳」11年ぶり見直しへ デジタル化の議論も

妊娠や出産、子どもの発育などを記録する「母子健康手帳」について、厚生労働省は支援が必要な母親の心のケアについての記載を充実させるなど、来年度から11年ぶりに内容を見直す方針を決めました。

「母子健康手帳」は、母子保健法に基づいて、妊娠を届け出た人に自治体から交付されるものです。

昭和17年に発行されて以降、社会情勢の変化に合わせて見直されていて、厚生労働省は、15日に開かれた専門家による検討会で、来年度から11年ぶりに見直す方針を決めました。

それによりますと、出産後の経過の項目で、
▽支援が必要な母親を適切な機関につなぐため、悩みがある場合は、医師や地域の支援センターに相談するよう促す記載が追加されます。

また、
▽母親の心身のケアや育児の支援を行う「産後ケア事業」の利用を促すため、事業を利用した際に記録する欄が新たに設けられます。

子どもの月齢や年齢ごとに示す成長や発達の目安では、
▽保護者や子どもの睡眠で困っていることはないかや、
▽車でチャイルドシートを使用しているか、
▽テレビやスマートフォンなどを長時間見せないようにしているか、
などの項目が追加されます。

検討会では、母子健康手帳のデジタル化に向けた議論も行っていて、自治体などの環境が整備されるまでは紙の手帳で運用するとしたうえで、今後、マイナンバー制度の専用サイト「マイナポータル」を活用した仕組みについて検討するとしています。