群馬県 未完成モニュメント撤去に4400万円 建設に8500万円

群馬県庁の庁舎前に、20年前から8500万円かけて建設されたモニュメントが未完成のまま、年内に撤去されることになりました。
撤去には、さらに4400万円かかるということで、建設に反対してきた市民団体は県の対応を批判しています。

前橋市大手町の県庁庁舎前にあるモニュメントは、前橋市出身で東京芸術大学の池田政治名誉教授がデザインし、当時の小寺知事が「群馬県庁」と書いた文字が刻まれています。

2002年に始まった建設当初の計画では、25年かけて7.5メートルほどの高さまで石を積み上げ、その石に、県内で生まれた子どもの名前を刻む予定でした。

ただ、県によりますと、個人情報保護や費用面などについての懸念を踏まえて、3年後の2005年に建設が中止され、この間、8500万円の費用がかかったということです。

その後、未完成のまま残されてきたモニュメントについて、県は、県庁前の広場の再整備を目的に撤去することを決め、9月の補正予算案に、撤去費用として4400万円を計上しました。

撤去は年内に行われる予定です。

市民オンブズマン「建てたからには残しておけばいい」

建設と撤去に合わせて1億3000万円近い公金を県が投じたことについて、前橋市の市民団体「市民オンブズマン群馬」は「税金のむだづかいだったが、建てたからには残しておけばいい」などと県の対応を批判しています。

県「放置は周辺を有効活用する機会を損失」

一方、県の財産有効活用課は「多くの費用がかかることへの県民の批判があるのは承知している。ただ、今のまま放置すると、県庁周辺を有効活用する機会を損失するため、未来への投資だと考えている」と話しています。