尖閣沖航行 中国艦艇がロシア艦艇へ監視活動行ったか 官房長官

中国とロシアの海軍の艦艇が沖縄県の尖閣諸島沖の接続水域を同じ時間帯に航行したことについて、松野官房長官は、中国艦艇が、尖閣諸島に関する独自の立場からロシア艦艇への監視活動を行った可能性があるとの見方を示しました。

ロシア海軍の艦艇1隻が7月4日午前7時すぎ、尖閣諸島沖の接続水域に入って1時間余り航行し、中国海軍の艦艇1隻も午前7時44分ごろからおよそ6分間、接続水域に入ったのが確認されていて、防衛省で目的の分析を行っています。

松野官房長官は、記者会見で「ロシア海軍の艦艇は、悪天候を避けるために接続水域を航行していた可能性があり、それに対応して、中国海軍の艦艇が航行した可能性もある」と説明しました。

そのうえで「中国側に抗議し、再発防止を求めた。尖閣諸島は歴史的にも国際法上もわが国固有の領土で、きぜんかつ冷静に対処していく」と述べました。

一方、5日朝早く尖閣諸島の沖合で中国海警局の船2隻が日本の領海に侵入したことについては「厳重に抗議し、速やかに退去するよう強く求めた。誠に遺憾で受け入れられない」と述べました。

林外相「中国側に外交ルートで厳重に抗議」

林外務大臣は、記者会見で「このような活動は、そもそも国際法違反であり、中国側に、外交ルートで厳重に抗議し、速やかにわが国の領海から退去するよう強く求めたところだ。誠に遺憾で受け入れられず、引き続き、冷静かつきぜんと対応していく」と述べました。

岸防衛相「緊張を一方的に高める行為 深刻に懸念」

岸防衛大臣は、記者会見で「中国が、尖閣諸島に関する独自の主張を行い、海警局の船による領海侵入を行ってきた中でのこのような航行は、緊張を一方的に高める行為で深刻に懸念すべき状況だ」と述べました。

そのうえで「近年、中国によるわが国周辺の海空域における軍事行動は、ますます拡大し、活発化している」と述べ、防衛省・自衛隊として警戒監視に万全を期す考えを示しました。