知床観光船沈没「業務用無線の免許取らず」会社と社長を告発へ

北海道の知床半島沖で観光船が沈没した事故をめぐり、総務省は運航会社「知床遊覧船」が必要な業務用無線の免許を取っていなかったことを明らかにしました。
このため、電波法違反の疑いで、会社と社長を海上保安署に告発する方針です。

これは、金子総務大臣が6月21日の閣議のあとの記者会見で明らかにしたものです。

それによりますと、総務省が運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長に行った聞き取りなどの結果、本来、必要な業務用無線の免許を取っていなかったことがわかりました。

そして、会社は免許を取らずに業務用無線ではなく、アマチュア無線を使っていたということです。

このため、総務省は北海道総合通信局を通じて、会社と桂田社長を電波法違反の疑いで、管轄する網走海上保安署に告発する方針です。

また、この無線局とは別に、会社が免許を受けたうえで保有する8つの簡易無線局について、総務省は運用を停止する行政処分を6月24日付けで出すことにしています。

金子総務相「不法に無線局開設 大変遺憾」

これについて金子総務大臣は「不法に無線局が開設されていたことが発覚したことは大変遺憾だ。今回不法利用されていたアマチュア無線局については幅広く国民に利用されているものなので、個々の利用者の法令意識を高めるよう周知・啓発の活動を強化していきたい」と述べました。