神奈川県立高校で菅前首相の講演会中止「公平性欠く」との声も

神奈川県の教育委員会は、横浜市内の県立高校が6月13日に予定していた自民党の菅前総理大臣の講演会を中止したと発表しました。中止の理由は菅氏側のスケジュールの都合だということですが、講演会をめぐっては「参議院選挙を前に講演会を行うのは政治的公平性を欠く」などと、中止や延期を求める声が教育委員会などに寄せられていました。

横浜市にある神奈川県立瀬谷西高校は生徒の政治参加意識を高める教育の一環として、6月13日に、高校3年生を対象に自民党の菅前総理大臣の講演会を開く予定でした。

これを県の教育委員会が5月末に発表したところ「選挙権を持つ18歳の生徒もいることから、参議院選挙を前に講演会を行うのは政治的公平性を欠く」などと、中止や延期を求める声が相次ぎ、学校にも抗議の電話が120件余り寄せられていました。

こうした中、8日に県教育委員会は「投票を呼びかけるようなものでなく、政治的中立性には配慮しており、開催に問題はないが、菅前総理大臣のスケジュールの都合で中止することになった」と中止を発表しました。

教育委員会によりますと講演は2027年に横浜市で開かれる国際園芸博覧会やカーボンニュートラルについて行われる予定だったということです。