竹島周辺 韓国側の海洋調査船航行 日本政府が申し入れ

島根県の竹島周辺の日本の排他的経済水域で、今月9日以降、韓国の国営企業の依頼を受けた海洋調査船が航行していたことが分かりました。
日本政府は、調査を行っていたのであれば容認できないと、韓国側に外交ルートを通じて申し入れを行いました。

政府関係者によりますと、島根県の竹島の南側にある日本のEEZ=排他的経済水域で、今月9日以降、韓国の国営企業から依頼を受けた外国船籍の海洋調査船が、ワイヤーを水中に沈めて引きながら航行しているのを、海上保安庁の巡視船が確認したということです。

これについて、林外務大臣は17日の参議院の委員会で、現場海域で海上保安庁が調査船に注意喚起を行ったとしたうえで「韓国側には直ちに外交ルートを通じて説明を求めるとともに、仮にわが国の排他的経済水域で調査活動を行っているのであれば認められないと伝達した」と述べました。

その一方で、韓国政府とのやり取りでも調査実施の有無が確認できなかったことから、中止要求までには至らず、現場海域での注意喚起にとどめたと説明しました。

これに対し、出席した委員からは、韓国の新政権の発足時期に行われていたとして、政府に対し事実関係を確認し、より厳しい対応をとるよう求める意見が出されました。

松野官房長官「海洋調査の確認には至らず 注意喚起に」

松野官房長官は、閣議のあとの記者会見で「現場海域で海上保安庁の巡視船が直ちに行動目的の確認や注意喚起などを行った。また、韓国側には直ちに外交ルートを通じて説明を求めるとともに、仮にわが国の排他的経済水域で調査活動を行っているのであれば認められない旨を伝達した」と述べました。

そのうえで「現場での情報収集や分析などに照らし、当該船舶によるわが国の排他的経済水域内における海洋調査の実施の確認には至らなかったため、従来の対応どおり現場海域での注意喚起にとどめた。政府として、国際法や関連する国内法に基づき、今後とも適切に対応していく」と述べました。

韓国外務省「日本側の問題提起は受け入れられない立場だ」

島根県の竹島周辺の日本の排他的経済水域で、韓国の国営企業の依頼を受けた海洋調査船が航行し、日本政府が韓国側に外交ルートを通じて申し入れを行ったことについて、韓国外務省は17日コメントを出しました。

この中では「国連海洋法条約などの国際法や関連する国内法令に基づき、韓国の排他的経済水域内で行われた正当な活動に対する日本側の問題提起は受け入れられないという立場だ」としています。

韓国は、竹島を「トクト(独島)」と呼んで領有権を主張しています。