ロシア極東の石油や天然ガス開発事業 撤退せず 萩生田経産相

ロシアに対する各国の経済制裁が続く中、萩生田経済産業大臣は4月1日の閣議あとの会見で、日本の大手商社がかかわる形でロシア極東で進められている石油や天然ガスの開発事業「サハリン1」、「サハリン2」について、エネルギー安全保障上、極めて重要だとして撤退しない方針を改めて示しました。

この中で萩生田経済産業大臣は、「サハリン1」は原油輸入のおよそ9割を中東に依存する日本にとって、中東以外からの貴重な原油の調達先となっているほか、「サハリン2」からのLNG=液化天然ガスの輸入も全体のおよそ9%を占め、日本の電力やガスの安定供給に不可欠だと述べました。

そのうえで、「いずれのプロジェクトも自国で権益を有し、長期的な資源の引き取り権が確保されている。エネルギー価格が高騰している現状では、市場価格よりも安く調達できることなどから、エネルギー安全保障上、極めて重要なプロジェクトだ」と述べ、撤退しない方針を改めて示しました。

また萩生田大臣は、ロシアの北極圏で進められている、三井物産とJOGMEC=石油天然ガス・金属鉱物資源機構が出資する、LNGの開発プロジェクト「アークティックLNG2」についても、撤退しない方針を明らかにしました。