国際女性デー
女性の政治参加環境整備を

国連が定める「国際女性デー」の8日、女性議員の増加などを目指す議員連盟が会合を開き、去年の衆議院選挙で女性候補の割合が前回を下回ったことに危機感が示されました。

女性の政治参加をめぐっては4年前、国政選挙などで男女の候補者の数ができるかぎり「均等」になることを目指すなどとした法律が施行されています。

8日の会合では去年の衆議院選挙について、内閣府の担当者から女性候補の割合が全体の17.7%で当選者が9.7%と、いずれも前回の衆議院選挙を下回ったことが報告されました。

メンバーの1人、野田少子化担当大臣は「女性の割合が減ったのは本当にショックだ。女性が頑張ろうとしてもいろんなところにあるネガティブな仕掛けを改善していこう」と呼びかけました。

出席者からは、出産などで国会に出席できない場合にオンラインでの参加を可能にするよう求める意見が出され、女性が政治に参加しやすい環境整備にさらに力を入れていくことを確認しました。

立民 西村幹事長「この国が不平等を放置してきているからだ」

立憲民主党の西村幹事長は「国際女性デー」に合わせて都内で街頭演説し、男女平等社会の実現には女性の意見を政治に反映させることが不可欠だと訴えました。

西村幹事長は男女の賃金格差などについて「働いている女性の問題ではない。社会や法律、制度がそうなっているからであり、構造的な問題としてこの国が男女の不平等を放置してきているからだ」と述べました。

そのうえで「国会だけでなく地方議会でも女性議員が少なく、私たち女性の声が政治になかなか届いていない。一人一人の尊厳に目を向ける政治に変えていくために必要なのは多様な力であり、そこに女性の力は不可欠だ」と訴えました。

岸田首相「女性の経済的自立へ環境整備を推進」

国連が定めた「国際女性デー」の8日、岸田総理大臣は女性活躍を進めるための政府の会合にビデオメッセージを寄せ、男女間の賃金格差の是正などに取り組み、女性が経済的に自立できる環境整備を進める考えを示しました。

国連が定めた「国際女性デー」に合わせて、オンライン形式の会合が総理大臣官邸で開かれ、女性活躍を担当する森まさこ総理大臣補佐官や経営者らが出席しました。

会合には岸田総理大臣がビデオメッセージを寄せ「日本は男女格差を示すジェンダーギャップ指数が世界120位で諸外国に比べて立ち遅れている。男女間の賃金格差の是正に向けた企業の開示ルールの見直しや、男女問わず希望どおり働ける社会づくりなど、打てる手をすべて打ち、女性が経済的に自立できる環境を整えていく」と述べました。

このあと出席者からは「社会でリーダーシップを取る中高年の男性は、今後、減少する見通しで、女性をリーダーに選ぶことが大きな選択肢になる」という意見や「ロシアがウクライナに侵攻しているが、紛争下での性暴力の防止に日本は取り組んできた。国際機関と協力して力を尽くすべきだ」などの指摘が出されました。