岸田首相 国連事務次長と会談
“核兵器のない世界へけん引”

岸田総理大臣は、国連の軍縮部門のトップ、中満泉事務次長と会談し、核兵器のない世界の実現に向けた国際的な取り組みを主導していく考えを強調しました。

岸田総理大臣は15日午前、国連で軍縮問題を担当する中満事務次長と総理大臣官邸でおよそ15分間会談しました。

冒頭、岸田総理大臣は「気候変動、新型コロナウイルスなど地球規模の課題で、国連と緊密に連携して対応していきたい」と述べました。

そして会談では核軍縮のあり方をめぐって意見が交わされ、岸田総理大臣が「『核兵器のない世界』の実現に向けた国際的な取り組みをけん引していく」と述べたの対し、中満事務次長は「立場が異なる国の橋渡しのため、日本の積極的な役割に期待する」と述べました。

そして両氏は、来年1月に開催される、世界の核軍縮について話し合うNPT=核拡散防止条約の再検討会議について、意義のある成果を収めることが重要だという認識で一致しました。

一方、核兵器禁止条約をめぐって、岸田総理大臣は、アメリカなど核兵器の保有国が参加していないことから、核軍縮を目指す上で現実的ではないなどとして、日本としては参加しないとする従来の政府の立場を説明しました。

松野官房長官 「核兵器国を関与させるよう努力」

松野官房長官は、午後の記者会見で、来年1月に開催されるNPT=核拡散防止条約の再検討会議について「前回の会議とは異なり、次回こそは核兵器のない世界に向けて意義ある成果が得られるよう、関係国と緊密に連携して取り組んでいく。核兵器のない世界に向けた実質的な前進となる何らかの合意文書の採択を目指していきたい」と述べました。

また松野官房長官は、記者団が、来年3月に初めて開催される核兵器禁止条約の締約国会議にオブザーバーとして参加する考えがあるか質問したのに対し「現実を変えるためには核兵器国の協力が必要だ。オブザーバー参加よりも、わが国は唯一の戦争被爆国として、核兵器国を関与させるよう努力をしていかなければならない」と述べました。