投票済証もらってみませんか
衆議院選挙

「投票済証」って、知ってますか。

文字通り、あなたが投票を済ませたことを選挙管理委員会が証明する書類です。
実際は書類というよりもカードの様な形をしています。

調べてみると、こういったシンプルなデザインばかりではありません。

各地の選管では投票率向上につなげようと、地元ゆかりの歴史上の人物などを採り入れたいわゆる“ご当地投票済票”を作るなど、さまざまな工夫をしていました。

大河ドラマの主人公が登場~岐阜県可児市~

NHKの大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公、明智光秀生誕の地がある岐阜県可児市では、ことし1月の県知事選でこんな投票済証を用意しました。
桔梗紋があしらわれた兜をかぶった武将。そう、明智光秀です。鉄砲を持った勇ましい姿ですね。

まるで御朱印?~岐阜県御嵩町~

可児市のお隣、岐阜県御嵩町でもオリジナルの投票済証があると聞き、見せてもらいました。
思わず御朱印と見間違えてしまうほどのクオリティー!

御嵩町で御朱印のような投票済証を用意したのは2年前の町議会議員選挙から。
当時の担当者が御朱印ブームにあやかり、話題性のあるデザインにすることで、投票率向上につなげようと始めたといいます。

御嵩町でも県知事選では、御嵩町が生誕の地の戦国武将、可児才蔵と“御朱印バージョン”をセットにした期日前投票限定の投票済証を用意しました。

緊急事態宣言が出ているなかでの選挙となったことから、感染防止対策として期日前投票を利用してもらうことで、混雑を避けることが狙いでした。

“御朱印バージョン”の投票済証を用意して行われた選挙は3回。

すでに町民からは「今回ももらえるの?」「またもらいに来たよ」という声もあがり、認知度もあがってきているそうです。さらに町外からも「町民じゃないけどもらえないの?」という問い合わせまで寄せられているとのこと。

選挙管理員会の加藤群さんは「選挙戦の構図などに左右されるところもあるので一概には言えませんが、県知事選は前回よりも投票率は上がりました」と、一定の効果が見込めていると話してくれました。
今回の衆院選でも準備する予定だということです。

はがき仕様、残暑見舞いにいかが?~大阪府箕面市~

暑い夏、お世話になったあの人に、残暑見舞いを出そうかな。そんな思いがかなえられるユニークな“投票済証”もありました。
大阪府箕面市では、投票を済ませた人が使えるものにしようと「はがき」になっています。

ゆるキャラグランプリで2年連続4位になっている市のマスコットキャラクター・「滝ノ道ゆずる」たちが浴衣姿で涼んでいるこちらのデザイン。
去年8月に行われた市長選と市議会議員選挙の際に使われたものです。

担当の惠美信人さんによると、毎回、季節感を大切にしているそうです。
今回の衆院選はどんなデザインにするのか尋ねてみると、「読書している感じにしようと思っています」とのこと。
秋深まる中での衆院選、読書の秋というところでしょうか。

すべての自治体にあるわけではない!

こうした投票済証、全ての自治体で用意されているかというと、実はそうではありません。

公職選挙法での規定がなく、用意するかどうかは自治体の判断に任されています。
総務省のまとめによると、前回・4年前の衆院選で投票済証を準備していたのは、1741市町村のうち966自治体で55.5%でした。
2年前の参院選では(1806市区町村中1147自治体)63.5%まで増えているとのことでした。

最近では「センキョ割」と言って、投票済証をお店で見せるとさまざまなサービスを受けられる動きが全国的に広まってきており、こうした動きにあわせて導入する自治体も増えてきているのかもしれません。

一方で、投票に行くかどうかは個人の自由だという意見があります。
このため、支持者などが投票したかどうかを確認するために投票済証を利用することが、投票の自由を奪ったり、買収などの選挙違反につながったりするおそれもあるという指摘を踏まえて投票済証を出さない自治体もあります。

投票にあたっては1票を託せる候補者をしっかり選んで投票することが大切ですが、今回の衆院選、自分の住んでいる地域では投票済証がもらえるかどうかや、どんなデザインなのかにも注目して投票に行ってみてください。