国の税収 過去最高更新
“巣ごもり需要”などが要因

昨年度の国の税収は、去年12月時点の政府の見積もりを5兆円以上上回り、60兆8000億円余りと過去最高を更新しました。
新型コロナウイルスの影響を受けながらも、いわゆる“巣ごもり需要”に加え、アメリカや中国の景気回復を背景に法人税の税収が大幅に増えたことなどが要因です。

財務省の発表によりますと、昨年度の国の税収は、前の年度よりも2兆3801億円増え、60兆8216億円となりました。

昨年度の税収について、政府は、新型コロナの感染拡大による影響を踏まえ、去年12月時点で当初予算の見積もりよりも8兆円余り減額し、55兆1250億円と見込んでいました。

しかし5日発表した税収は、この見積もりを5兆6966億円上回り、これまで最も多かった平成30年度を超えて過去最高となりました。

日本経済が新型コロナウイルスの影響を受けながらも、“巣ごもり需要”に加え、アメリカや中国の景気回復を背景に法人税収が見積もりより3兆円余り増えたことが主な要因です。

また消費税は、おととし10月に税率を10%に引き上げたことを受けて、導入後初めて税収が20兆円を超えました。

これに伴って、昨年度の新規の国債発行額は4兆円抑えられましたが、それでも100兆円を超える財源を国債でまかなっていて、税収が増えても財政の悪化に歯止めがかからない状況が続いています。