参院広島選挙区再選挙
立民など推薦の宮口氏初当選

与野党対決の構図となった参議院広島選挙区の再選挙は立憲民主党などが推したフリーアナウンサーの宮口治子氏が、自民党の候補者らを抑えて、初めての当選を果たしました。

参議院広島選挙区の再選挙は開票が終了しました。

▼宮口治子、諸派・新。当選。37万860票。
▼西田英範、自民・新。33万6924票。
▼佐藤周一、無所属・新。2万848票。
▼山本貴平、NHK受信料を支払わない方法を教える党・新。1万6114票。
▼大山宏、無所属・新。1万3363票。
▼玉田憲勲、無所属・新。8806票。

立憲民主党、国民民主党、社民党が推薦した宮口治子氏が自民党の西田英範氏らを抑え、初めての当選を果たしました。

宮口氏は、広島県福山市出身の45歳。
地元ラジオ局でパーソナリティーを務め、現在はフリーアナウンサーとして活動しています。

今回の再選挙は、おととしの参議院選挙をめぐって公職選挙法違反の罪で有罪が確定した河井案里氏の当選無効に伴って行われ、「政治とカネ」の問題が最大の争点になりました。

特定の政党ではなく、政治団体「結集ひろしま」から立候補した宮口氏は、立憲民主党など野党から幅広く支援を得て、自民党の西田氏との間で、激しい選挙戦を展開しました。
そして、政治とカネの問題に対する県民の姿勢を示さなければ、政治は変わらないと訴えました。

その結果、支援を受けた野党各党の支持層に加え、日本維新の会の支持層や、無党派層などからも幅広く支持を集め初めての当選を果たしました。

広島県選挙管理委員会によりますと、参議院広島選挙区の再選挙の投票率は33.61%で、おととしの選挙と比べて11.06ポイント下回りました。参議院広島選挙区では、過去最低だった平成5年の補欠選挙に次ぐ低い投票率となりました。

宮口治子氏は「まだ少し信じられないような気持ちがある。小さな声をしっかり聞き、ぶれない気持ちを忘れずに、皆様のお役に立てるようしっかり頑張っていきたい。政治家として遠いところに行くのではなく、いつもと変わらないままでがんばっていきたい」と喜びの声を述べました。

自民 岸田前政調会長「力不足を感じ、申し訳ない」

自民党広島県連の会長を務める岸田・前政務調査会長は、広島市内で記者団に対し「力不足を感じ、申し訳ない。政治とカネの問題で県民の怒りがあることを強く感じた。ただ、今回の結果が国政全般に大きな影響を与えることはないと思っている。新型コロナウイルス対策で責任を果たして欲しいという強い思いは感じたので、与党の議員の1人としてなすべき責任を果たしたい」と述べました。

また、「県連を再生させることが県連会長としての私の責任だ。県連の再生が自民党の再生になると信じて、取り組みを進める」と述べました。

一方、記者団から次の総裁選挙への対応を問われたのに対し「今回の広島選挙区の再選挙を総裁選挙と結びつけることを言った覚えはない。総裁選挙は総裁選挙、今回の選挙は今回の選挙だ」と述べました。