高知 津波避難タワー1/4
階段流出可能性も対策なし

南海トラフ巨大地震に備えて高知県内に整備されている津波避難タワーのうち、およそ4分の1で階段やスロープが津波で流される可能性があるのに具体的な対策がとられていないことが県の調査で分かりました。高齢者などがタワーに取り残されるおそれもあり、高知県は自治体に対策を求めています。

高知県内では南海トラフ巨大地震に備えて、これまでに自治体が114基の津波避難タワーを整備しています。

それぞれのタワー本体は、国が示す津波への強度の基準を満たすように設計されていますが、付属する階段やスロープについては、基準がありません。

このため、県はタワーのある沿岸部の17市町村に対し「階段やスロープは津波に耐える強度はあるか」と確認したところ、ことし1月までに整備された114基のうちおよそ4分の1で階段やスロープが津波で流されるなどする可能性があるのに、具体的な対策がとられていないことが分かったということです。

高齢者など支援が必要な人が長期にわたってタワーの上に取り残されるおそれがあるため、県は自治体に対し、簡易式のはしごや滑り台のようにして地上に降りることができるシューターなどの整備を求めています。

整備する場合は県が費用を半額負担するということです。

県の担当者は「タワーの上は長期間滞在できる環境ではない。津波から助かった命を確実につなげられるよう取り組みを強化したい」と話しています。