組織委 新会長は5つの観点
から選考する方針

辞任を表明した森会長の後任候補を選ぶため東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が設置した「候補者検討委員会」の1回目の会合が開かれ、スポーツに造詣が深く東京大会の理念を実現し将来につなげることができる人など、新しい会長に求められる5つの資質を取りまとめました。

検討委員会は17日も開かれ具体的な候補者の名前を挙げて検討を進めることにしていて、ここでの議論を経て組織委員会は早ければ今週中にも理事会を開いて新しい会長を決めたい考えです。

大会組織委員会の森会長は、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」といった女性蔑視と取れるみずからの発言の責任を取り、今月12日に開かれた理事と評議員による緊急の会合で辞任する考えを表明しました。

組織委員会は、透明性を確保して後任の会長候補を選ぶため、「候補者検討委員会」を設置し1回目の会合が16日午後、都内のホテルで開かれました。

委員会は非公開で行われましたが、
▽組織委員会の御手洗名誉会長が座長を務め、
メンバーは
▽JOC=日本オリンピック委員会の山下会長や、
▽東京都の多羅尾副知事、
▽アテネ大会と北京大会の金メダリストで、元柔道選手の谷本歩実さん、
▽パラ競泳の現役選手の成田真由美さんなど男女4人ずつの合わせて8人で構成されているということです。

会合では、8人の委員が話し合い、新しい会長に求められる資質として
▽オリンピック・パラリンピックやスポーツに深い造詣があることや、
▽東京大会への理念を実現し将来につなげることができる人、
▽国際的な活動経験などがあることや、
▽東京大会の経緯や準備状況を理解していること、
▽組織運営能力や関係者の調和を図る調整力を備えていることという5つをとりまとめました。

候補者検討委員会は17日も開かれ、16日に決まった5つの資質に沿って具体的な候補者の名前を挙げて検討を進めることにしていて、ここでの議論を経て組織委員会は早ければ今週中にも理事会を開いて新しい会長を決めたい考えです。

武藤事務総長「あす1本化する可能性はある」

会合のあと武藤事務総長が取材に応じ17日の2回目の会合が具体的な人選を進める会合になるとした上で、候補者の1本化については「可能性があるかと言われれば、ある」と述べました。

このなかで武藤事務総長は「候補者検討委員会」がまとめた新会長に求められる資質の5つの観点についてすべてが会長候補の条件になるかと問われ、「できるだけ5つにかなった人が望ましいが、すべてに当てはまらないと資格がないと考えるのは適切ではないという意見があった」と説明しました。

また、16日の会合では、検討委員会のメンバーになっている8人も会長候補の対象になる可能性があることを確認したということです。

そして、武藤事務総長は17日に開かれる2回目の会合が具体的な人選を進める会合になるとした上で、候補者が1本化されるかどうかについて問われると「可能性があるかと言われれば、ある。何も決まっていないので議論をしながら絞り込めるかどうかを考えればいい」と話しました。

その上で「われわれは会長の空白期間を作らないためにもできるだけ早く理事会を開き決めたいと思っている。それが今週になるのか来週にかかるのかは、やってみないとわからない」としました。