海の通報「118番」
99%が無言・間違い電話

海での事件や事故を海上保安庁に通報する電話番号118番は、平成12年に運用が始まり、去年1年間の通報は全国で45万9097件でした。

このうち、海難事故の発生の連絡や、見慣れない船がいるなどの情報提供に該当したのは1%で、残る99%は無言電話や間違い電話など緊急性や中身のない通報だったということです。

海上保安庁によりますと、無言電話であっても折り返し電話をして確認する作業が生じるほか、折り返しに反応がない場合、航空機などを派遣して確認するケースもあるということです。

118番の浸透が不十分なことが要因だとみられています。

おととしからは、耳が聞こえにくいなど障害のある人のためにスマートフォンなどのメッセージで通報を受け付ける「NET118」の運用も始まっています。

海上保安庁の唐澤秀之広報企画係長は「緊急の通報に影響が出ることがあってはならないと考えているので、118番の認知度を上げ、適正な利用について知ってもらいたい」と話しています。

「NET118」の運用も

おととしからは、耳が聞こえにくいなど障害のある人のためにスマートフォンなどのメッセージで118番の通報を受け付ける「NET118」の運用が始まっています。

4年前に愛知県で聴覚障害者4人が乗ったボートの転覆事故が起きた際に、通報に時間がかかったことをきっかけに開発されました。

ウェブサイトで通報ボタンを押すと、質問に回答する形で状況を伝えることができます。

運用を始めた翌月のおととし12月には、瀬戸内海で聴覚障害者が乗っていたプレジャーボートがエンジン故障で動けなくなり、「NET118」による通報で5人が救助されました。

利用には事前登録が必要で、海上保安庁は「海のレジャーに出る予定がある場合は、万が一の事故に備えて利用方法の確認をしてほしい」と呼びかけています。