自公 来年度の税制改正大綱
正式決定 コロナ影響踏まえ

自民・公明両党は、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、来年度に限って、すべての土地を対象に固定資産税の負担が増えないようにすることなどを盛り込んだ、来年度の税制改正大綱を正式に決定しました。

自民・公明両党は、10日、税制調査会長や政務調査会長らが会談し、来年度の税制改正大綱を正式に決定しました。

大綱では、固定資産税について、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、来年度に限って、商業地や住宅地など、すべての土地を対象に税額の負担が増えないようにするとしています。

具体的には、地価の上昇に伴って課税額が今年度を上回る場合、来年度は税額を据え置き、地価の下落で課税額が減る土地はそのまま引き下げるとしています。

また、「住宅ローン減税」は、対象となる物件の床面積を50平方メートル以上から40平方メートル以上に拡大する一方、新たに対象となる物件は、所得制限を厳しくするとしています。

控除額は、再来年度から見直し、年末時点のローン残高の1%か、その年に支払った利息の総額の少ないほうとします。

さらに、菅政権が掲げる脱炭素社会の実現やデジタル化の推進に向けて、関連する設備投資を行った企業の法人税額を控除するなどの優遇措置を行うことも盛り込んでいます。

政府・与党は、大綱の内容を盛り込んだ税制関連法案を来年の通常国会に提出し、成立を図ることにしています。

自民 甘利氏「30年先の課題に備える対応をした」

自民党の甘利税制調査会長は、記者会見で「コロナ禍で税負担能力が落ちていることや、経済の変化が大きくなっていることを加味して、どういう道が適切か自民・公明両党で真剣に議論した。また、カーボンニュートラルという新しい課題は、30年先のことではあるが、今から技術革新にかじを切らないと間に合わないので、先の課題に備える対応をした」と述べました。

公明 西田氏「『守り』とともに『攻め』にも対応した」

公明党の西田税制調査会長は、記者会見で「足元での新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、『守り』とともに、日本や世界の大きな変化に対する『攻め』にも対応した。税制には、税収を引き上げる基盤をつくる役割もあり、前向きな投資を促したうえで、やがて財政を立て直す局面に移っていく必要がある」と述べました。

加藤官房長官「持続的な経済成長の実現を」

加藤官房長官は、午後の記者会見で「ポストコロナに向けて、経済構造を転換し、持続的な経済成長を実現するために必要な税制上の措置を取りまとめていただいた。政府としては、速やかに法案の提出に向けた準備を進めていきたい」と述べました。