新聞協会賞「遺骨取り違え」
スクープのNHK取材班に

すぐれた報道に贈られる今年度の新聞協会賞の授賞式が神戸市で行われ、戦没者の遺骨の取り違え問題をスクープしたNHKの取材班などが表彰されました。

新聞協会賞の授賞式は、神戸市中央区のホテルで開かれた新聞大会のなかで行われました。

シベリア抑留者のものとして収集した遺骨について、取り違えた疑いがあることを厚生労働省が公表せず、長年、放置していた実態をスクープしたNHKの取材班が表彰されました。

取材班の代表で社会部の木村真也副部長は「私たちが取材を諦めてしまうとずさんな遺骨収集が繰り返されてしまうという危機感をもとに取材を続けました。真実を国民の目から遠ざけようとする行政や政治の対応は遺骨問題に限ったものではなく、今後も隠された事実に迫るため泥臭く、粘り強い取材を続けていきたい」とあいさつしました。

新聞協会賞はこのほか、小学校の教員の間で起きた暴力問題についての神戸新聞社の報道、新型コロナウイルスの治療の最前線をとらえたフジテレビの映像、首里城の火災を撮影した沖縄タイムス社の写真報道、外国籍の子どもたちの学ぶ権利を問う毎日新聞社のキャンペーン報道、それに被爆75年の節目に未解明の被害実態を伝えた中国新聞社の一連の報道が受賞し、担当者が表彰されました。