温室効果ガス 50年までに
実質ゼロ目指す方針で調整

菅総理大臣は来週召集される臨時国会で行う所信表明演説で、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目指す方針を示す方向で調整に入りました。

菅総理大臣は、来週26日に召集される臨時国会で、初めての所信表明演説を行うことにしていて、原案では規制改革を全力で進めるほか、新型コロナウイルスの爆発的な感染は絶対に防ぐと強調したうえで、社会経済活動を再開し、経済の回復を図るなどとしています。

こうした内容に加え菅総理大臣は所信表明演説で、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目指す方針を示す方向で調整に入りました。

政府は去年決定した、地球温暖化対策を進めるための長期戦略で、2050年までに温室効果ガスを80%削減するとしていましたが、排出ゼロを目指す具体的な時期を示していませんでした。

小泉環境相 首相と意見交換

小泉環境大臣は22日午前、総理大臣官邸で菅総理大臣と会談し、来週召集される臨時国会で菅総理大臣が初めて行う所信表明演説をめぐり意見を交わしました。

このあと、小泉大臣は記者団に対し「私は、以前から2050年までのCO2排出ゼロを求めて、環境省だけが言っているのではなく、政府全体がそういった方向に進んでいくよう訴え、働きかけを続けてきた」と述べました。

そのうえで、小泉大臣は「菅総理大臣が、どういう所信表明演説にするのか、菅総理大臣以外に決める人はいないので、それも含め、非常に有意義な意見交換をした」と述べました。

加藤官房長官 “ゼロカーボンシティ”の拡大を

加藤官房長官は午前の記者会見で「わが国は5年連続で温室効果ガスの排出量を削減しており、これはG20の中で日本とイギリスのみで、合計で12%の削減はイギリスに次ぐものだと認識している。今後とも世界の中で、こうした取り組みに対して積極的な役割を果たしていきたい」と述べました。

また午後の記者会見では、脱炭素社会の実現には、自治体による取り組みも重要だとして、2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることを目指す自治体「ゼロカーボンシティ」の拡大を呼びかけていく考えを示しました。

さらに洋上の風力発電など再生可能エネルギーの導入を支援していくとしたうえで、「地域に雇用を生み出す再生可能エネルギーの普及や拡大に向けた取り組みなどを通じて、環境と成長の好循環を実現していきたい」と述べました。