菅首相 靖国神社に「真榊」
を奉納 秋の例大祭にあわせ

17日から始まった靖国神社の秋の例大祭にあわせて、菅総理大臣は、「真榊」と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納しました。

東京・九段の靖国神社では、17日から2日間の日程で、秋の例大祭が始まりました。

これにあわせて、菅総理大臣は、「真榊」と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納しました。

関係者によりますと、菅総理大臣は、これまで官房長官時代には、「真榊」を奉納していなかったということですが、今回は、安倍前総理大臣が、例大祭にあわせて「真榊」を奉納してきたことを踏襲したとしています。

これに関連して、加藤官房長官は、16日の記者会見で、「『真榊』の奉納や参拝について、なされるかなされないかは、菅総理大臣が適切に判断される事柄だ」と述べていました。

また、今回の例大祭にあわせて、大島衆議院議長、田村厚生労働大臣、井上万博担当大臣も「真榊」を奉納しました。

中国国営 新華社通信は非難

中国国営の新華社通信は17日、「日本の菅総理大臣が、内閣総理大臣の名義で靖国神社に『真榊』と呼ばれる供え物を奉納した」と伝えました。

そして、日本の報道を引用する形で「菅総理大臣は官房長官だった時期に真榊を奉納したことがなかったが、安倍前総理大臣のやり方にならったとみられる」としています。

そのうえで、「靖国神社には第2次世界大戦のA級戦犯がまつられており、中国は日本の政治家の誤ったやり方に断固反対し、侵略の歴史を直視して反省するよう求める」と非難しました。

中国政府はこれまでのところ、公式の反応を示していません。

韓国外務省「深い遺憾の意を表する」

韓国外務省は17日、菅総理大臣が靖国神社に「真榊」を奉納したことを受けて、報道官の論評を出しました。

論評では「日本の過去の侵略戦争を美化し戦争犯罪者を合祀した靖国神社に、日本政府や議会の指導者たちが再び『真榊』を奉納したことについて深い遺憾の意を表する」としています。

そのうえで「新内閣の発足を契機に日本の責任ある指導者たちが歴史を直視し、謙虚な省察と心からの反省を行動で示すことで、両国関係の未来志向的な発展の要求に応じることを強く求める」としています。