発事故を後世に 初の
公立の伝承館が完成 双葉町

東日本大震災と原発事故が起きてからまもなく9年半となるのを前に、原発事故の記録を後世に伝える伝承館が公立の施設として初めて福島県双葉町に完成し5日、内覧会が行われました。

震災と東京電力福島第一原発の事故の記録を後世に伝える県立の「東日本大震災・原子力災害伝承館」は今月20日、福島県双葉町にオープンします。

原発事故による災害の記録を伝える伝承館は公立の施設としては初めてで、オープンを前に5日、報道関係者に公開されました。

展示室には津波や原発事故の当時の様子を物語る写真や資料、およそ150点が展示されています。このうち事故に対応する拠点となった大熊町のオフサイトセンターのホワイトボードには、住民をヘリコプターで避難させた記録などが記され、事故直後の混乱した様子がうかがえます。

また、原発が立地している双葉町に掲げられていた「原子力明るい未来のエネルギー」という標語の看板の写真パネルは事故が起きるまで地元が原子力を積極的に推進してきたことを物語っています。

この伝承館には地元の語り部も常駐することになっています。

福島県生涯学習課の渡邉賢一課長は「震災から9年半がたとうとしていますが、福島で何が起きたのかを知ってもらい、災害について自分のこととして考えてほしい」と話していました。