川原発 避難計画に
コロナなど感染症対策追加へ

ことし国の審査に合格し、東北電力が再稼働を目指している宮城県の女川原子力発電所について国と自治体は、事故が起きた際の避難計画に新型コロナウイルスなどの感染症対策を追加することを決めました。原発の避難計画に具体的な感染症対策が盛り込まれるのは初めてです。

女川原発2号機はことし2月、再稼働に必要な原子力規制委員会の審査に合格し、3月には内閣府や地元自治体が重大事故に備えて、20万人近くの周辺住民を対象にした避難計画をまとめました。

ただ、その後、新型コロナウイルスの感染が拡大したことを受けて、内閣府は原発の避難計画では初めて感染症対策を追加することを決めました。

具体的には、避難で使うバスなどの車両では感染者とそうでない人を分けることとし、マスクを着用したうえ、座席の間隔を十分に離すなどとしています。

また感染対策の結果、1台の車両に乗る人数が減ることが考えられるため、ピストン輸送を行うことや追加の車両を準備することなどを検討するとしています。

このほか屋内退避の指示が出ている時は被ばく対策を優先し、「換気」を原則行わないことや避難所では密集を避け、軽症の感染者は個室や別の避難施設に入ってもらうことなどを検討するとしています。

この避難計画は政府の原子力防災会議で近く報告され、了承される見通しです。