九州 休校の小中学校
児童生徒の学習サポート確認

北九州市教育委員会は新型コロナウイルスの感染が確認された児童、生徒が通う4つの小中学校の校長とオンラインで対応を協議し、子どもたちの学習面のサポートや心のケアに努めることを確認しました。

北九州市では1日までに4つの小中学校で、合わせて10人の児童・生徒が新型コロナウイルスに感染していることが確認され、市の教育委員会はこの4校を臨時休校にしています。

1日は、教育委員会とこの4校の校長がオンラインで休校中の対応について協議しました。教育委員会によりますと、この中で授業時間の不足を補うため各家庭に郵送で学習用のプリントを配布することやオンラインで学級活動や面談を行って児童・生徒の心のケアに努めることなどを確認したということです。

教育委員会によりますと、4つの学校の休校の期間は当分の間で、再開についてはそれぞれの学校の状況を考慮し状況を考慮し判断していくということです。

北九州市教育委員会の古小路忠生指導部長は「感染拡大に注意をしてきたが防げなかったということで、これまで以上に気を引き締めてやっていきたい。休校している学校の児童・生徒については学習が遅れないよう学校現場とも協力していきたい」と話していました。

専門家「気を緩めず対策徹底すべき」

北九州市で新型コロナウイルスの感染確認が相次いでいることについて、日本感染症学会の理事長で、東邦大学の舘田一博教授は「PCR検査が受けやすくなったことで、これまで見逃されてきた感染者が見つかるようになり、ある程度の数の感染者が継続的に確認されている可能性は否定できない」と指摘しました。

そのうえで舘田教授は「症状が軽いか無症状の人が気付かないうちに広げてしまうのが、この感染症の特徴で、水面下で感染が広がっている可能性もある。ウイルスは常にそばに存在するのだという意識で、気を緩めずに手洗いにマスクの着用、『3つの密』を避けるなどの対策を徹底すべきだ。また、全国どこの都市でも同様の状況になる可能性が高いため、しばらくは全国でこうした感染対策を意識して暮らす必要がある」と話しています。

また、同じ小学校で複数の児童の感染が確認されていることについて「新型コロナウイルスについては、これまで学校などの若年層が集団生活をする場で感染が広がったという明らかなデータがなく、まだ正確なことはいえない。ただ、無症状のまま、子どもから子どもに感染が続き、やがて同居する高齢者などに広がっていくケースもあると考えられ、今後の広がり方によっては改めて休校を検討するなど、感染の状況に応じた措置が必要だと考えられる」と話しています。

別の小学校では予防対策を徹底

5人の児童に感染が確認された北九州市の小学校と同じ区にある別の小学校では、児童の検温や体調確認を徹底し、感染予防に努めています。

小倉南区の合馬小学校では、午前中で授業が終わり児童が下校したあと、学校の職員が授業で使った学習用具やボールなどを一つ一つ丁寧に消毒していました。

市の教育委員会が児童・生徒の検温や体調確認を徹底するよう各学校に通知したことを受け、この小学校でも児童の体温などが記入された健康チェックリストの確認を登校時に徹底するとともに、非接触型の体温計を用意して体調が悪そうな児童は検温することにしています。

合馬小学校の古賀克彦校長は「強い危機感を持っています。学校の衛生環境を維持して、子どもたちには安心して学校に通ってもらいたい」と話していました。