染を15分で判定”
検査キット販売へ

大阪市に本社がある繊維メーカーの「クラボウ」は、新型コロナウイルスに感染しているかどうか、血液を採取して15分で判定できる検査キットを輸入し、今月から研究機関などに販売すると発表しました。検査時間の大幅な短縮につながるか、注目を集めそうです。

繊維メーカー、クラボウが新たに販売するのは、ウイルスに感染したときに血液中にできる抗体を検出する「イムノクロマト法」という手法の検査キットです。

提携している中国の企業が開発したもので、キットのくぼみに少量の血液と専用の薬をたらすと、15分で感染しているかどうか判定できるということです。

国内で感染者の確認に使われている「PCR法」は、ウイルスの遺伝子を増幅して検出するものですが、6時間程度かかるとされています。それに比べて、検査時間が大幅に短縮できるうえに、特殊な装置がいらないと、会社では説明しています。中国では、およそ95%の精度で判定できたとしています。

会社では、中国からの輸入ルートを確保したことで、1日当たり最大で1万人分の検査キットを供給できるとしていて、研究機関や検査会社などを対象に、今月16日から販売することにしています。

加藤厚労相 「有効性あれば活用検討」

加藤厚生労働大臣は閣議のあとの記者会見で「この製品は、中国ですでに承認されていると聞いている。精度がどの程度で、中国ではこの検査キットとこれまでの検査をどのように組み合わせて使っているのかを企業に聞いて、有効に活用できるものであれば速やかに現場で使えるように検討していきたい」と述べました。

また、これまで活用しているウイルス検査について「短時間で検査できる知見が企業や研究所から出ているのでわれわれも積極的に情報収集をして、使えるものはどんどん活用していきたい」と述べました。

新型ウイルス検査キット緊急認可 トランプ大統領

アメリカのトランプ大統領は13日の記者会見で、スイスの製薬会社が作った新型コロナウイルスの検査キットを緊急に認可し、国内の検査機関で使えるようにしたと述べました。

アメリカ政府が認可したのは製薬会社「ロシュ」の検査キットで、既存の検査用の機械を使って24時間でおよそ4000の検体を検査できるということです。

またアメリカFDA=食品医薬品局は、このほかにもニューヨーク州が独自に開発した検査キットも、より多くの検査機関で使えるようになったと発表しました。

アメリカでは今月に入って感染者が急増していますが、各州の検査機関で検査ができる患者の数が限られていて、感染拡大の状況を把握するための検査態勢の拡充が急務となっています。

さらに政治家やメディアからは「トランプ政権が新型コロナウイルスの与える影響を過小評価していたために、検査態勢が整わなかった」などと批判の声が強まっています。

トランプ政権としては、検査態勢が拡充されていることを強調することで、対応が後手に回っているという批判をかわすねらいがあるものとみられます。