岸田首相 ゼレンスキー大統領と電話会談 支援継続の方針伝える

岸田総理大臣は、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行い、ロシアが侵攻を続けていることを重ねて非難した上で、支援を継続する方針を伝えました。

岸田総理大臣は、29日午後6時前からおよそ20分間、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行いました。

このあと岸田総理大臣は記者団の取材に応じ、ロシアが侵攻を続けていることを重ねて非難するとともに、日本としてウクライナへの支援を継続する方針を伝えたことを明らかにしました。

また、NATO=北大西洋条約機構の基金を通じて資金を拠出する支援の進ちょく状況などを説明し、ゼレンスキー大統領からは日本の取り組みに謝意が示されたということです。

そして岸田総理大臣は「『グローバル・サウス』への働きかけをはじめ、G7議長国としてリーダーシップを発揮していくことを伝え、緊密に連携を続けていくことで一致した」と述べました。

ゼレンスキー大統領 “日本と2国間協定の協議 始める用意”

ゼレンスキー大統領は29日、岸田総理大臣と行った電話会談についてSNSに投稿し、領土の回復やウクライナからのロシア軍の撤退などを盛り込んだウクライナの和平案に対する支持に謝意を伝えたことを明らかにしました。

そのうえで和平案について話し合う首脳級の会合などの準備作業に参加するよう日本を招待したとしています。

また、日本が議長国を務める中で7月に採択された、ウクライナの安全保障に関するG7=主要7か国の共同宣言を高く評価するとしています。

共同宣言では、将来のロシアの侵略を抑止するため、ウクライナに長期的な支援を行うとしていて、ゼレンスキー大統領は、宣言の枠組みのもとで日本と2国間協定を結ぶため協議を始める用意があると明らかにしました。

さらに、7月にロシアがウクライナ産農作物の輸出をめぐる合意の履行を停止したあと、ウクライナが代替のルートの開拓に向けて取り組んでいることも説明したとしています。

電話会談では、日本で来年はじめに開催予定のウクライナの復興を巡る会議についても協議したと明らかにし、日本と連携を深めていく考えを示しています。