北海道知事選挙 何を訴えた?候補者演説を徹底分析!

任期満了に伴う北海道知事選挙が23日告示され、届け出順にいずれも無所属で、▽新人で会社経営の門別芳夫(61)、▽2期目を目指す現職で自民党と公明党のほか、新党大地が推薦する鈴木直道氏(42)、▽新人で立憲民主党が推薦し、共産党、国民民主党道連、社民党のほか、市民ネットワーク北海道が支持する元衆議院議員の池田真紀氏(50)、▽新人で美容師の三原大輔氏(48)の4人が立候補しました。

NHKは、各候補の訴えの特徴を見るため、告示日に行った演説をAIを使った「テキストマイニング」と呼ばれる手法を使って分析し、有権者にどのような政策を訴えたのか読み解きました。


門別候補は、北海道庁前でおよそ3分半にわたって演説しました。

最も多く使った言葉は「道民」で9回、次いで「声」という言葉を5回使いました。

現在の道政が「道民」の「声」に耳を傾けていないと指摘した上で「皆さんの『声』に耳を傾け、みずからも『声』をかけ、実際に何が求められているのか調べた上で道政を行っていきたい」と訴えました。

また「経済」、「財政」は4回、「応援」も3回使っていました。

北海道の財政状況について触れ、各世帯に1人1万円、扶養家族には5000円という金額を給付する「『応援』給付金」という公約を説明する文脈で使われ、道民が潤うことで経済が活性化すると述べました。

鈴木候補は札幌市の繁華街・ススキノでおよそ18分演説しました。

「食」と「支援」がそれぞれ11回と最も多くなっていました。

「食」については、「エネルギー」、デジタルとともに北海道の潜在力を生かすキーワードとして挙げ、農林水「産業」の生産性向上などに取組み、「食料安全保障の観点などから価値を高めていくことが必要だ」と訴えています。

「支援」については、「コロナ」禍で緊急「経済」対策を行ってきた実績をアピールする文脈で使われたほか、「子育てに対する「経済」的負担の軽減に取り組み市町村が行う『支援』をサポートしていく」などと公約を訴える中でも使われていました。

池田候補は北海道庁前でおよそ6分50秒演説しました。

最も大きく表示されているのは「道民」で9回使っていました。

「道民目線」や、「道民に目を向いた道政」といった文脈で使われていました。

元社会福祉士や衆議院議員として取組んできた児童虐待や介護、福祉などの問題に取り組む姿勢を強調し、「あたたかい『道政』を『道民』と一緒に作っていきます」とみずからのキャッチフレーズを訴えました。

また「条例」という言葉は3回使われていました。

差別や偏見のない社会の実現を目指す人権に関する「条例」や、道民の意思を政治に反映するための道民投票「条例」の制定を公約として掲げる中で使われていました。


三原候補は、札幌市厚別区にある百年記念塔に近い国道沿いで5分40秒あまり演説しました。

最も多く使った言葉は「百年記念塔」で11回です。老朽化が進んでいるなどとして北海道が解体工事を進めている「百年記念塔」の解体中止と保全を公約としています。

「『歴史』を体現する『百年記念塔』を絶対に壊してはいけない。一生懸命、皆さんで『声』を上げて、頑張って守っていきたい」などと訴えました。

このほか多かった言葉は、「未来」が8回、「自分」と「歴史」が5回、「神」と「縁」が4回などとなっています。

このうち、「未来」については、北海道の未来のために百年記念塔を守るべきだという主張を繰り返したため、回数が増えました。

北海道知事選挙の投票日は4月9日で、即日開票されます。