「避難生活は今後どうなっていく?」能登半島地震で被災した石川県の被災者向け情報をまとめた“瓦版”を取材
能登半島地震の発災から1か月弱。被害を受けた被災者一人ひとりの状況に応じた支援が求められています。そうした中、さまざまな災害現場で支援活動を行ってきた専門家チームが石川県の被災者のために制作しているのが、必要な情報がコンパクトにまとめられた“瓦版”です。今回の内容は、「避難生活は今後どうなっていくのか?問い合わせ先は?」。クローズアップ現代で取材している内容をご紹介します。
(「クローズアップ現代」ディレクター 占部稜)
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能登半島地震 支援情報瓦版 第2号(2024年1月20日発行号)
ことし1月20日、能登半島地震で被災した石川県の被災者向けに発行された『能登半島地震 支援情報 瓦版』。制作したのは、東日本大震災や熊本地震、九州北部豪雨などの災害支援を行ってきた複数の団体と弁護士たちです。
瓦版の制作を呼びかけたNPO法人YNF代表理事の江崎太郎さん。経緯についてこう語ります。
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NPO法人YNF代表理事 江崎太郎さん
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去年発生した奥能登地震の際、石川県珠洲市で災害支援活動を行ったことがきっかけで、1月2日には現地入りしました。今は役所のフォローという形で、要介護や障害などで避難所で過ごしづらい方向けの“1.5次避難所”に関わるお手伝いをしています。
そんな中で「避難所って、いつまでいられるの?」ですとか、「地元から離れた2次避難所に行ったら、珠洲市の仮設住宅に入れるの?」といった声を多く聞きました。被災した人たちの元には今、正しいものから誤ったものまで、さまざまな情報が飛び交い、多くの混乱が起きています。そうした混乱を解消すべく、“今まさに被災した人が知りたい情報をコンパクトにまとめた資料が必要だ”と、瓦版の制作を始めました。
今回制作されたのは、特に被災した人から多かった「避難生活が今後どうなるか?」という悩みです。1月20日現在での瓦版情報は以下のとおりです。発行後の情報変更にご注意ください。
“瓦版”の詳細をアップで紹介
● そもそも避難所とは
● 今後の避難生活の流れ(イメージ)
● そもそも応急仮設住宅とは
● 建設型仮設、みなし仮設とは
● 相談窓口の連絡先まとめ
上記、QRコードでも紹介されている石川県HP相談窓口はこちら(※NHKサイトを離れます)
過去に発行された瓦版などは、監修を行った永野海弁護士が運用する「ひさぽ(被災者支援情報さぽーとぺーじ)」(※NHKサイトを離れます)にも掲載されています。
能登半島地震瓦版制作チームはこちら
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NPO法人 YNF
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2017年7月に発生した九州北部豪雨の災害支援をきっかけに設立された、「在宅被災世帯」を中心に支援活動を行なう特殊非営利活動法人。被災者支援に加えて、徳島県などの自治体や民間団体などを対象に「災害ケースマネジメント」のノウハウといった防災事業をワンファミリー仙台と行っている(日本民間公益活動連携機構JANPIAの「休眠預金等活用」制度を利用)。NHK「避難生活&住宅再建ガイドブック(2023)」の監修も務める。
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NPO法人 ワンファミリー仙台
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2002年2月、仙台におけるホームレス支援から活動をスタートし、2006年に法人格を取得。生活に困窮している人や住まいに困っている人向けの支援を中心に行いつつ、東日本大震災が発生した際には、宮城県を中心に被災地での支援も実施。また、団体代表が常務理事を務める、連携法人の一般社団法人パーソナルサポートセンターでは、主に仙台市の仮設住宅の見守り支援、コミュニティワーク支援、伴走型の就労支援、仮設住宅からの転居支援など生活再建支援を実施した。
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永野海(弁護士/防災士)
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慶応義塾大学卒(計量経済学専攻)。日弁連災害復興支援委員会副委員長/静岡市教育委員会学校防災アドバイザー。 東日本大震災以降、各被災地での被災者支援活動や支援者・市民への被災後の生活再建に備える研修活動に従事。 防災では、「津波避難すごろく」の開発を含む津波防災を中心とした各地での講演活動、各学校での防災授業などに取り組む。NHK「避難生活&住宅再建ガイドブック(2023)」の監修も務める。
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一人ひとりが大事にされる災害復興法を作る会
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仙台市を拠点に、東日本大震災の被災者支援に携わった弁護士らで構成された団体。元日弁連副会長の新里宏二、日本弁護士連合会災害復興支援委員会委員長の津久井進、福島大学うつくしまふくしま未来支援センター特任教授の天野和彦の3人が共同代表を務める。