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Q32 親族の希望で空き家を残していますが、管理が負担です

クローズアップ現代で継続取材してきた『住まいの問題』。視聴者の皆さまからも数多くのお悩みが寄せられました。そこで今回、専門家協力のもと、2ヶ月の間お答えしつづける「お悩み相談マラソン」に挑戦します。今回寄せられたのは「親族の希望で空き家を残しているが、管理が負担」というお悩み。NPO法人 空家・空地管理センターの専門家に聞きました。
(NHK『住まいの問題』取材チーム)

相談内容

相続で田舎の家を持っています。一人娘でしたので、都会へ出たおじやおばは相続することなく実家で暮らしていた私が自然に祖父から相続しました。 その後、私は結婚したので主人の家に住んでいます。祖父母が亡くなった当時は法事などで実家を利用しましたが、10年以上経つ今は使うこともありません。役場を通して貸したり売却したりしようとしていますがいまだに空き家です。おじやおばの「実家を残したい」という気持ちを重視していましたが、今となっては負担になるばかりです。解体にもお金がかかるし、そのままにしていてもどんどん古くなります。悩みでしかありません。

(熊本県/女性/43歳)

回答

“ 管理にかかる費用や労力を見える化して共有しましょう ”

解説

(NPO法人 空家・空地管理センター 上田真一)

おじいさまから受け継いだ大切な家を10年以上も管理されてきたのですね。現在は、役所の空き家バンクに登録されているのだとお見受けします。空き家バンクに登録してもすぐに解決にはいたらないものです。今、自身にできることを少しずつ進め、さまざまな媒体を利用し情報発信を進めていってください。

参考:Q15 空き家バンクに登録したけど内覧はゼロ…次に何をするべき?

親族の「実家を残したい」という気持ちを重視して10年の月日が経ってしまったとのこと、同じ悩みをお持ちの方はとても多いと思います。遠方に住み、実際の管理を行なっていない家族や親族は、こちらの苦労を知らずに好き勝手なことを言います。考えてみてください。もし10年前に売却していたら、今より建物の状態は良く、買い手がすぐに見つかったかもしれません。また、ご自身が今まで費やしてきた手間や費用は発生しなかったのです。

家の活用に関しては、どんなに仲の良い関係であっても必ず意見が違うものです。そこでどう折り合いをつけていけばよいか、非常に難しい問題ではあります。まず行うべきは皆で現状を把握することかと思います。この1年間でどういう対応が必要になり、それにはどれくらいの費用が掛かり、誰が対応するのか。費用や労力が見える化すると、意見がぴったりは合わずとも、同じ方向を向いて話をすることができるようになるものです。皆の認識が合った時点で、期限を決め、それぞれが気持ちの折り合いをつけていくことが大切です。

自身の気持ちの整理は本人にしかできないものです。たくさん悩んで、みなさんにとって最善の活用方法を見つけてほしいと思います。

上田真一(NPO法人 空家・空地管理センター代表理事)
2013年 NPO法人設立。全国で空き家などの適正管理や利活用に取り組む。
東村山市空家等対策協議会副会長など、複数の自治体で空き家対策に関する協議会委員も務める。
『あなたの空き家問題(日本経済新聞出版社)』著者。
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