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Q12 所有する空き家を活用したがらない夫、どう説得すれば

クローズアップ現代で継続取材してきた『住まいの問題』。視聴者の皆さまからも数多くのお悩みが寄せられました。そこで今回、専門家協力のもと、2ヶ月の間お答えしつづける「お悩み相談マラソン」に挑戦します。今回寄せられたのは「夫が空き家を貸し出すことに反対する」というお悩み。NPO法人 空家・空地管理センターの専門家に聞きました。
(NHK『住まいの問題』取材チーム)

相談内容

夫が相続した空き家が都内に2軒あります。10年以上経ちます。建物状態も立地も良いので、貸すよう話しているのですが、夫が同意しません。法改正が夫の背中を押すことを期待していますが、いい説得の方法がないか体験談をお聞きしたいと思っています。

(東京都/女性/61歳)

回答

“ 本人の気持ちは複雑です…貸すことだけを前提にせず話をしてみては ”

解説

(NPO法人 空家・空地管理センター 上田真一)

夫は「家族で過ごした大切な実家を見ず知らずの他人に貸したくない」「誰かに貸したら、返してもらえないかもしれない」等、そんな気持ちなのかもしれません。「貸せばいい」と周りは簡単に言いますが、所有者本人の気持ちはそんなに簡単ではないのです。「貸す」という選択肢だけで話をするのではなく、「大切なあなたの実家をどうやって次の世代に遺していこうか」という観点から話をされてみてはいかがでしょうか。

お二人にお子さんがいらっしゃるのであれば、ぜひ子どもたちを巻き込んで話をしてみてください。もしかすると、子どもたちの誰かが「いつかは使用したい!」と思っているかもしれません。その「いつか」が今でなければ、それまでの間を貸し出す(定期借家)という賃貸活用もあります。

反対に、お子さんたちが相続に消極的であれば、不動産は単純に分割するのが難しい財産です。均等に分けるには、売りに出してお金にする必要があります。

また、もしお子さんがいない場合でも、夫にご兄弟がいれば相続人に該当します。よく「子どもがいない夫婦は、どちらか一方が亡くなったら配偶者が全財産を相続できる」と勘違いされている方がいますが、その場合は配偶者だけでなく、被相続人の両親、被相続人の兄弟・姉妹・甥姪にも相続権があるのです。この内の誰かが自己の取り分を主張すれば、その相続分を捻出する必要が発生し、不動産を売却して現金を分割するしかない事態に発展することもあります。

ぜひ、お二人だけで話すのではなく、自身の相続人と共に、空き家の将来を考えてみてください。

上田真一(NPO法人 空家・空地管理センター代表理事)
2013年 NPO法人設立。全国で空き家などの適正管理や利活用に取り組む。
東村山市空家等対策協議会副会長など、複数の自治体で空き家対策に関する協議会委員も務める。
『あなたの空き家問題(日本経済新聞出版社)』著者。
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