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LGBTQ+の人とも仲良くしたい…どう接したらいい?

『虹クロ』はLGBTQ+など性のあり方に悩む10代の話を聞き、その解決法などについてさまざまな分野で活躍するLGBTQ+当事者のメンター(助言者)たちと一緒に考える番組です。

今回は「自分はLGBTQ+ではないけれど、セクシュアルマイノリティーの人とも仲良くしたい。どう接したらいいか悩んでいる…」という10代がスタジオに集まり、LGBTQ+の人との接し方について、メンターたちと語り合いました。

(『虹クロ』ディレクター 杉山 舞)

【関連番組】虹クロ『LGBTQ+の人とも仲良くしたいけど、どう接したらいい?』

2024年4月2日(火) <Eテレ>午後8:00~8:29
(再)2023年4月10日(水) <Eテレ>午前0:30~0:59 [※9日(火)深夜]
※4/9(火) 午後8:29 まで見逃し配信(NHKプラス)でご覧いただけます 

LGBTQ+の人との接し方について、みんなで本音トーク!

10代“相談者”2人と20代“先輩”2人と語り合うメンターたち

今回スタジオに集ったのは7人。メンターは井手上漠さん(モデル&タレント)、ロバートキャンベルさん(日本文学者)、木本奏太さん(YouTuber&映像クリエイター)の3人。そして、自分はLGBTQ+当事者ではないけれど、当事者の人たちとどう接したらいいか悩んでいる10代の“相談者”2人と、かつて同じ悩みを抱えていた20代の“先輩”2人です。

上段(左から)/木本奏太さん(YouTuber&映像クリエイター)、井手上漠さん(モデル&タレント)、ロバートキャンベルさん(日本文学者) 下段(左から)/モエさん(19歳)、コウガさん(19歳)、ミミさん(20歳)、ミクさん(24歳)

“相談者”のモエさん(19)とコウガさん(19)は大学1年生。“先輩”のミミさん(20)、ミクさん(24)は大学でLGBTQ+への理解を広める活動をしています。

「どうすればLGBTQ+の人を傷つけないで接することができますか?」

モエさんはLGBTQ+に関するドラマ『腐女子、うっかりゲイに告る。』(NHKよるドラ 2019年初回放送)を見て、性的マイノリティーの人たちを取り巻く状況について関心をもったといいます。今、最も悩んでいるのは「どうすればLGBTQ+の人を傷つけないで接することができるか」ということです。

モエさん(大学1年生) 「LGBTQ+の人との接し方を知りたい」と語る10代
モエさん(19歳)

私の周りには(私の知っている限り)LGBTQ+の当事者の方はいらっしゃらなかったので、(実際に会った際に)どう接したらいいのかなという不安があります。どうすれば相手を傷つけずに会話をすることができるのか、悩んでいます。

不安を抱くモエさんに、キャンベルさんは。

ロバート キャンベルさん(日本文学者) 20年以上一緒に暮らす同性のパートナーがいる
ロバート キャンベルさん(日本文学者)

当事者の僕からすると「普通に接すればいいんじゃん」と思う。人を不快にしたり、傷つけたりするような言葉を(モエさんは)多分ふだん使ってないと思うんですね。

モエさん(19歳)

例えば“ゲイ”という言葉があるけど、LGBTQ+の当事者の方からしたら言われたくない(言葉かもしれない)。(自分とLGBTQ+の方では)感じ方に違いがあると思うので、もしかしたら傷つけてしまっているかもしれない。

メンターの1人、木本奏太さんも自身がLGBTQ+当事者であっても同じ悩みをもっているといいます。

木本奏太さん(YouTuber&映像クリエイター)  性別適合手術・戸籍変更を行い現在、男性として生活している
木本奏太さん(YouTuber&映像クリエイター)

僕はLGBTQ+のトランスジェンダーだけれど、ゲイの方だったりレズビアンの方だったりの気持ちや困りごとは分からないと思っているんです。実際、分からないんです。


ゲイの方と話をしたときに、自分は(相手を)傷つけたなと思う発言をしたことがあったんです。今の日本では同性婚ができないけれど結婚の話題を気軽にしてしまって、(相手は)多分傷ついたなと思ったんです、その人の顔を見たときに。


(セクシュアリティーは)会っただけじゃ分からないことがたくさんあるから、今日、皆さんといろいろ話をして、「あ、これ、もしかしたらいいかもね」みたいなアイデアを何か1つでも見つけれたらいいなと僕も思います。

“LGBTQ+の人となかなか打ち解けられなかった” 先輩ミミさんの体験談

帯広畜産大学で生態系について学んでいるミミさん(20)は大学入学後にLGBTQ+への理解を広める活動を行う大学サークルに加入。現在は副部長も務めていますが最初のころ、モエさんと同じような悩みを抱え、サークルに所属するLGBTQ+の当事者の人と話をすることもできなかったといいます。

ミミさん(20歳)  LGBTQ+への理解を広める活動を行う大学サークルに所属
ミミさん(20歳)

私も最初は(LGBTQ+の人と)どういうふうに接したらいいのか、すごく悩んでいました。自分にとっては傷つくことがない話題でも、もしかしたら(相手は)不快に感じている可能性もあるなって思ったので。「どういうふうに話をしたらいいのかな」「こういうことに気をつけないといけないのかな」とか感じていました。

ミミさんが特に困ったのがLGBTQ+の人と二人きりになったとき。

サークルでLGBTQ+の人と二人きりになったとき、接し方に悩んだミミさん
ミミさん(20歳)

二人きりだと絶対に自分も何かしゃべらないといけないし、“とにかく傷つけないようにしないと…”みたいな感覚が強かったです。

キャンベルさんは二人きりになったときの“緊張感”について、みんなの感覚が研ぎ澄まされすぎているのかもしれないといいます。

ロバートキャンベルさん(日本文学者)

(LGBTQ+の人と)二人きりになったときに言葉が出ないとか、一緒に横を歩いていて“これぞLGBTQ+”みたいな、その部分だけが拡大されている状況とかすごく分かるんですよね。


私たちはひょっとすると“当事者”・“当事者ではない”という二項対立的な感覚が研ぎ澄まされ過ぎていて、(そのために)隣の人がすごく固まっちゃうのかもしれない。

“セクシュアリティーはその人の要素の1つ”と気づき、意識が変わった

LGBTQ+の人と話ができなかったミミさんでしたが、あることがきっかけで会話できるようになりました。それは“みんなで馬の話で盛り上がった”ことでした。

馬の話で盛り上がったことがきっかけでLGBTQ+の人との距離が縮まったミミさん(左から3人目)
ミミさん(20歳)

私は昔から馬が好きで、馬はお尻から足先にかけての筋肉や骨格とかがすごくきれいだなと思っていて。今までは、そういうことを話しても共感してくれる人は少なかったんですけど、(動物のことなどを学ぶ畜産大学に入って)「分かる!」と言ってくれる人がいたり、いろんな角度から(馬が)好きな人がいたりして。

例えば、馬が食べるエサに興味がある人とか、馬肉に寄生する微生物にめっちゃ詳しい人とか。そういう(馬についての)いろんな話がみんなとできて、(LGBTQ+の人とも)すごく距離が縮まったなと思いました。

筑波大学の大学院に通い、LGBTQ+への理解を広める活動を行う学生団体に所属するもう一人の先輩、ミクさん(24)もミミさんと同じような体験をしました。

ミクさん(24歳)  LGBTQ+への理解を広める活動を行う学生団体に所属
ミクさん(24歳)

私も(最初は)“どうしよう”みたいなことがあったんですけど、みんなでご飯を食べているときに、“推し”がいるとか、そういった共通の話題が見えたときにすごく親近感が湧きましたし、「なんで私はこの人たちとの間に壁を作っていたんだろう」と反省しました。

ミミさん(20歳)

それまでは“LGBTQ+の当事者の人たち”という見方というか(セクシュアリティー)がすごく大きな指標みたいな感覚があったけど、馬の話をして「あ、この人たちも生き物のこと好きでここにいるだけなんだ」と感じて、“セクシュアリティーってその人にとって1つの要素にすぎないんだな”と思いました。

2人の先輩の話を聞いてモエさんは。

モエさん(19歳)

“セクシュアリティーは1つの要素”というのがすごく印象的で、“LGBTQの人”というレッテルを貼ってその人を見るのではなくて、“その人の1つの要素にLGBTQ+というものがあるんだな”という見方にしたら、接し方もよりよいものになるんじゃないかなと思いました。

木本さんは、実は当事者も“セクシュアリティーはその人の1つの要素にすぎない”という考えになかなか気づけないという話をしてくれました。

木本奏太さん(YouTuber&映像クリエイター)

僕はトランスジェンダーだけど、自分を構成する要素として(セクシュアリティーが)強過ぎて。(トランスジェンダーというものが)社会からは受け入れてもらえない状況があって、だからこそそれがすごい強い個性というか、自分の大事な1つになっていたんです。


でも、ほかを考えてみたら僕は10月生まれだし、A型だし、甘いものが好きだし。そういうのも僕を構成している1つなんだって、昔は思えなかったんですけど、やっと思えるようになりました。

“セクシュアリティーはその人の1つの要素”というとらえ方は大切と、井手上さんとキャンベルさんも考えています。

井手上漠さん(モデル&タレント) モットーは自分らしく生きること
井手上漠さん(モデル&タレント)

“セクシュアリティーはその人の要素の1つ”という言葉を当事者の私が聞くと、すごく救われるというか、うれしいというか。いい意味で「ジェンダーのことを否定も肯定もせずにいてくれているんだな」というふうにとらえられるというか。


私は否定も肯定もいらなくて、なんなら本当に空気のように、ほかの人に接するように接してくれるのが、いちばん実はうれしかったりします。

ロバートキャンベルさん(日本文学者)

沈黙がやっぱりいちばんまずいんじゃないかなと思うんですね。顔で分かるんですね、沈黙しているということが。沈黙からは(関係性が)育たないということは知っているので、不器用でもいいから言葉を投げ合ったりするということが大事かなと思いますね。


僕は、ストレート(異性愛者)の女性でも男性でも、その人が今何を考えて、何が好きで、ということに関心があるんですね。(相手の話を)聞きたいし、(自分のことも)聞かれてもいいし。いや、聞かれたい、どちらかというと。

10代の知りたい! 「名前の呼び方はどうしたらいい?」

今回、番組でLGBTQ+の人との接し方について10代にアンケートを行ったところ、「名前の呼び方はどうしたらいい?」という疑問が多く寄せられました。

VTR取材に協力してくれたルリカさんもその一人。特に初対面など相手のセクシュアリティーが分からないときに悩むと言います。

VTR取材に協力してくれたルリカさん(18歳)
ルリカさん(18歳)

(4月から)大学生になるけど、“名前の呼び方はなんて呼べばいいんだろう?”というのはありますね。「ちゃん」と言っていいのかなみたいな。でも「さん」だと距離を感じるかなとか。

“相談者”のコウガさんとモエさんも、名前の呼び方についても悩んでいると言います。

コウガさんは「社会人になったときにLGBTQ+の人と会う機会が増えると思うので、LGBTQ+の人との関わり方、触れ合い方について考えたい」と今回、スタジオに来てくれました。

コウガさん(大学1年生) 「LGBTQ+の人との接し方を知りたい」と語る10代
コウガさん(19歳)

「くん」「ちゃん」とかはあまりよくないかなって。(相手のセクシュアリティーを)自分はこう思っているというのを勝手に押しつけてしまうことになるから。どうやったら、相手を100%傷つけないで呼ぶことができるのか悩みます。

モエさん(19歳)

私も同じような悩みを感じたことがあって。学校でも「さん」で統一しましょうみたいな動きとかがあるので。でも「〇〇さん」と言ったら、やっぱりちょっと壁ができてしまうというか、ちょっと距離を感じてしまうのかなと感じます。

名前の呼び方についてメンターたちは。

井手上漠さん(モデル&タレント)

うまく探る方法もたくさんあると思っていて。例えば、名札を見て「いつも何て呼ばれているの?」と聞けば、その人が何て呼ばれたいのかをなんとなくキャッチできたりとか。

木本奏太さん(YouTuber&映像クリエイター)

僕は「さん」がベターで、“ベストはそれぞれ個人で探せばいい”派です。「さん」だとみんながとりあえず安心できる。それがあって漠さんが言うように「なんて呼ばれたい?」と聞いてベストを探してくのがいちばん心地いいかもなというのが僕の考えです。

LGBTQ+への理解を広める活動をしている20代の先輩、ミクさんとミミさんからはこんなアドバイスがありました。

ミクさん(24歳)

英語だと最初に自己紹介のときに「Please call me ○○」みたいに言うじゃないですか。でも日本にはそういう文化がないから、すぐに「ちゃん」「くん」を使うんだなと思っていて。「私のことはミクって呼んでね。じゃあ、なんて呼んだらいい?」と自己紹介するように心がけています。

ミミさん(20歳)

基本どういうふうに呼ばれたいかと(相手に)聞くようにしています。でも誰にでも彼にでも聞けるわけでもないというときは、「氏」をつけます。「○○氏」と言うと、若干ギャグっぽくもなるし、おもしろみもあるし。

井手上漠さん(モデル&タレント)

私、友達にいたんですよ。高校生のときに「漠氏」と呼んでくる人が。その人だけがそうやって呼ぶから、その人とすごく深い仲になれたりして(よかったです)」

コウガさん(19歳)

名前に「氏」をつけるだけですもんね。あまり使ったことないんですけど、ちょっといいかもと思いました。

10代の知りたい!「恋バナをするときに気をつけることは?」

10代へのアンケートでさらに多かったのが、恋バナに関する悩み。VTR取材に協力してくれたカノンさんは。

VTR取材に協力してくれたカノンさん(18歳) 
カノンさん(18歳)

修学旅行の夜とか、やっぱり“恋バナ”から入って、もうちょっと深い話になって…みたいな。“(恋バナを)一つの絆を深めるツール”私はとらえていて。でも『好きな男子いる?』と聞くことで、気づかぬうちに(同性愛の人を)傷つけてしまうかもしれないし、性的指向のない人がその場にいたときに、どうすればいいんだろうって…。

先輩のミクさんは“恋バナ”をするとき、使う言葉に気をつけているそうです。

ミクさん(24歳)

「彼氏」「彼女」ではなくて「恋人」「パートナー」という言葉を使うようにはすごく気をつけています。


あと(自身の恋愛について)聞かれたくない人はストレート(異性愛者)の人でもいるんじゃないかなと思っています。なので「最近どう?」みたいな感じで(質問して)、恋バナじゃないトピックでもいけるようにはしていますね。

アセクシュアルの人(人に性的にひかれない人)やアロマンティック(人に恋愛的にひかれない人)がいた場合、恋バナをしてもいいのかどうか、いろいろな意見が飛び出しました。

ミミさん(20歳)

アセクシュアルやアロマンティックの人がその場にいたときにはちょっと配慮というか、(その人が)席を外しているときに恋バナをしたりとかするようにしていますね

ロバート キャンベルさん(日本文学者)

(アセクシュアルやアロマンティックの人に恋愛の話を)下手に言えない、しゃべれないということではひょっとしてなくて。


アセクシュアルやアロマンティックの人にも、その人にとって盛り上がる話題は絶対にあるはずですから。自分が熱くなっている恋の話に対して その人が冷たくなっていると気づいたならば、話をしながら、その人の(関心に寄せた)トピックに途中で代わっていけばいいと思うし。


「自分は今こう感じている、思っている」ということを相手に伝えること自体はその人を傷つけることではないんですね。

ミミさん(20歳)

確かにそうだなと思って。セクシュアリティーとかジェンダーのこととか関係なく、不快に感じる話はほかにもたくさんあると思うんですよね。でも、そういう話題を全部避けることはできないし。(アセクシュアルやアロマンティックの人も)自分が興味のある話題で盛り上がれたりしたら、その場にいる一人として自分の肯定感を保てるのかなと思いました。

木本奏太さん(YouTuber&映像クリエイター)

「今からちょっと恋バナするけど話してもいい?」とか「今ちょっと結構熱量あるから話してもいいかな。聞きたくなかったら言って」みたいな。そういったコミュニケーションがあれば『あ、今ちょっとしんどいかも』みたいに言えて、いいのかなと思ったりします。

正直に対等に話すことが大切

議論はさらに「正直に対等に話す」ことの大切さについて発展しました。

井手上漠(モデル&タレント)

私は「気を遣われているな」と察したときに、ちょっと距離を置いてしまうんです。相手からすれば、とても配慮してくれているわけですよ。なんなら思いやりなわけです。


逆に、ちょっとプライドを傷つけるようなことを悪気なくズカッと言われたときに、むしろ気持ちがいいというか。面と向かって正直に対等にお話しするというのが、実はいちばんよかったりするのかな。

ロバート キャンベルさん(日本文学者)

大学3年生のときにストレート(異性愛者)の男性とすごく仲が良くて、二人きりでスキーに行ったんですね。夜、同じ部屋に泊まったんですけど、僕がゲイだということを彼は知ってたんだけど、ある瞬間に「男同士のセックスってどうするの?」って、いちばん「うわぁ、これ聞いてくるのか!」みたいなことを、せきを切ったように聞いてきたんですね。

最初は(そういうことを)あまり聞かれたことなかったので、答える言葉がちょっとなくて。でも「僕の場合はこういうことがありました」と話をしているうちに、すごく笑い出したりして。そして今度は僕が「君のセックスはどうなの?」と質問をしたところから、彼の恋の悩みとか恋人との関係性とか、(ゲイの自分には)あまり共感ができない女性との関係について話を聞くことができたことを思い出しますね。

メンターや先輩たちの話を熱心に聞くモエさんとコウガさん

LGBTQ+の当事者であるメンターたちの考えや、かつてLGBTQ+の人との接し方に悩んだという先輩たちの体験談など、いろいろな話を聞いたモエさんとコウガさんは最後に笑顔でこう話してくれました。

モエさん(19歳)

私の中で“LGBTQ+の方”・“LGBTQ+でない方”という区別があったのかなということに自分でも気づけましたし、どういった接し方をしたらいいか、配慮したらいいかについて知ることができたので、すごくよかったです。

コウガさん(19歳)

スタジオに来る前は、(LGBTQ+の人と)何でも気兼ねなく交流することは難しいことなのかなと思っていたんですが、ちょっといい意味で“楽観的に”というか、意外と仲よくなれるんじゃないかな、うまくいくんじゃないかなというふうに思えて、すごくうれしいです。

取材を通して

これまで自分の性のあり方について悩む10代に向き合ってきた『虹クロ』ですが、今回初めて「自分はLGBTQ+ではない」という10代が出演してくれました。取材を進める中で感じたのは、多くの10代が「LGBTQ+の人とも仲良くなりたい!」と思っているからこそ悩みを抱えているということでした。

私が最も印象的だったのはキャンベルさんの言葉です。

「沈黙がいちばんまずいんじゃないかなと思う。沈黙からは(関係性が)育たないので、不器用でもいいから言葉を投げ合ったりするということが大事」

「相手を傷つけるかもしれないから関わるのをやめよう」。相手がLGBTQ+の人に限らず、そんなふうに感じて“沈黙”してしまうことは少なくないと思います。ですが、ミミさんがLGBTQ+の人とうまく話ができないと悩みながらも、ある日、馬の話をして距離が縮まったように、自分から一歩踏み出していくことが人との関係を築いていくうえで大切なんだと、私も改めて感じました。

LGBTQ+の当事者でない10代の皆さんとのスタジオトークは、これで終わりではありません。この後、LGBTQ+の人たちのために何ができるかに発展して、さらに熱いトークが繰り広げられました。その模様は次回5月7日(火)放送予定の『虹クロ』で紹介します。ぜひご覧ください。

【放送予定】虹クロ「LGBTQ+の人とも仲良くしたいけど、どう接したらいい?」

2024年4月2日(火) <Eテレ>午後8:00~8:29
(再)2024年4月10日(水) <Eテレ>午前0:30~0:59 [※9日(水)深夜]
2024年4月20日(土) <Eテレ>午後4:30~4:59
【見逃し配信】4/9(火) 午後8:29 までNHKプラスでもご覧いただけます

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