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「我慢せず、素直な気持ちを吐き出して」 宮城県石巻市出身・齋藤貴浩さん

「能登半島地震を経験した“子どもたち”へ、私がいま伝えたいこと」

このページでは、かつて東日本大震災などで家族や友人、ふるさとなどを失った“子どもたち”からのメッセージを紹介します。

小学6年生の齋藤さん

宮城県石巻市出身の齋藤貴浩さん、25歳。
小学6年生のとき、東日本大震災を経験しました。

石巻市立門脇小学校の校庭で掃除をしていたときに地震が発生し、裏山へと避難。
そこで、真っ黒い津波が街を襲う様子を目の当たりにしました。

齋藤さんが住んでいた地区では、行方不明者を含めて500人以上が犠牲となり、小学校でもすでに下校していた児童7人が亡くなりました。
齋藤さんの家族4人は無事でしたが、家は津波で流されました。

震災直後の石巻市立門脇小学校

齋藤さんと家族は親戚を頼って青森県に避難、さらに群馬県へと引っ越しました。

当初は被災地出身だということも明かすことができなかった齋藤さん。
めまぐるしく変わる環境に戸惑いながらも、少しずつ友達ができ、生活に慣れていったといいます。

齋藤さんはその後NHKに入り、宇都宮放送局で記者をしています。

自分と同じように、能登半島地震で大切なものを失った子どもたちへ。
齋藤さんからのメッセージです。

※再生すると音声が出ます

「今回の能登半島地震、本当に日々ニュースで見る映像を13年前当時のことを思わずにはいられません。なかなかショッキングな映像ですけれども、その当時小学校6年生だった自分の思ったことがすごくよみがえってきました。

学校をいつ再開するのかなとか、いつ友達とまた一緒に勉強できるのかなとか。友達との日々とか学校であったくだらないこと、そんなことをまたやりたいな、また友達と一緒に生活したいなって。そういうことをいつも思っていたような記憶があります。

だからこそ、全てとは言わないんですけれども、 でも何となく今、皆さんが置かれている状況というものは想像ができます。とてもつらかったり、しんどかったり、勉強に集中できないなとか、何かこうイライラするなとか感じると思うんですけれども、その素直な気持ちはぜひ吐き出してみてください。

それは声に出すでもいいですし、紙やスマホに残すでもいいと思います。とにかく出すことで、自分自身も楽になるし、周りの大人たちも子どものなかなか言えない気持ちが少しは理解できるんじゃないかなと思います。

13年前、当時自分は一生懸命生活を立て直そうとする両親の姿を見て、なかなか言い出せなかったのが正直なところです。そういう人もいるかもしれないんですけれど、でも決して我慢せずに、自分の素直な気持ちを伝えてみてみるといいんじゃないかなと思います。

本当に1日でも早く、いつも通りの何気ない日常が戻ることを、遠い地ではありますけれども祈っていきたいと思います」

【関連番組】
齋藤さんが出演した番組はこちら
ドキュメント20min.「卒業から12年の春に〜石巻・門脇小学校〜」(2023年3月27日放送)

みんなのコメント(3件)

感想
19歳以下 その他
2024年3月20日
すなおなきもちになる
感想
19歳以下 その他
2024年3月3日
ニュースとかで見ると、まだまだ家だったり、色々復活していない地域もあるみたいなので、いちはやく復活してほしいなと思います。そして今、私が伝えたい事があります。それは、かならず、いい日、いい未来が待っているという事です。被災者の方々、まだつらい気持ちがあると思いますが、かならず、いい日やいい未来が待っています。これが今私の伝えたい事です。
感想
いっこ
50代 女性
2024年1月19日
これからが、被災地支援の本番だと思います。長く支えていく事が大切であり、子どもたちが素直に話せる環境を作りたいです。