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アニメ職人たちの凄技アニメ職人たちの凄技

【第57回】
今回、スポットを当てるのは、
齋藤 まりこ

プロフィール

1984年栃木生まれ。東京芸術大学院映像研究科アニメーション専攻修了。
アニメーションを中心に映像、イラストレーションなど手掛ける。
100分de名著では「変身」「方丈記」「般若心経」「種の起源」などを担当。

齋藤 まりこさんに「燃えあがる緑の木」のアニメ制作でこだわったポイントをお聞きしました。

まず今回大江健三郎「燃え上がる緑の木」という題材をいただき、作品内の詳細な描写をどう落とし込むかとても悩みました。
記される場所や出来事、事象について詳しく描いてしまうのではなく触れた時の各々の抱くイメージへの余白を残した方が良いと思った事、また、作中の時代や地理に問わず普遍的な内容であることを踏まえてキャラクターのデザインは極力シンプルに、情景の描写も印象的なシーン以外は省略するようにしました。

「魂の救済」をということを光を用い表現できたらと、印象的なシーンでは光というものをなるべく印象的に取り込むよう逆光にしたり、教会のシーンでは高い窓から差し込む光を、燃え上がる緑の木を想起させたテン窪のシーンの夕日の逆光を用いるなど要所に光の描写を取り入れました。

また教会の象徴としての燃え上がる緑の木のマークも洋の東西を感じないようにしようとシンプルだけれどわかりやすいデザインに収めました。

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