にっぽん縦断 こころ旅
ずっと残したい、ふるさとの風景
私が「ずっと残したい、ふるさとの風景」は、|日須知小学校です。
木造の校舎で、銀河鉄道の夜の映画でも使用されるなど、木のぬくもりとノスタルジーを感じる場所です。今はもう閉校になり、学童施設や地域のサークル活動等で使用されています。
私が小学生のときは、当たり前のことで気がつきませんでしたが、教師となった今、さまざまな学校に勤務し、あの時の当たり前が、当たり前ではなかったことを実感しています。
学校までの上り坂、石畳みの階段、広いろうか、きしむ床音、掃除のときには、ささくれた木がぞうきんを貫通したこと、休み時間にサッカーをしたグラウンド、一輪車の練習をした天井の低い講堂・・・校舎での思い出を今でも鮮明に覚えています。
私は4人兄弟の末っ子で、共働きの両親に代わっておばあちゃんに育てられました。幼稚園の送迎や食事の準備、掃除洗濯の全てをおばあちゃんがしてくれていました。そんなおばあちゃんですから、小学生になっても 参観日や行事には、いつもおばあちゃんが来てくれていました。
マラソン大会のときには、沿道で手を叩き、通り過ぎると学校のグラウンドまで走って応援してくれました。マラソン大会が終わると周りの保護者から
「おばあちゃんもがんばって走ってはったで」と言われ、なんだか誇らしい気持ちになったことを記憶しています。須知小学校での思い出は私の大好きなおばあちゃんとの思い出でもあります。
そんな元気だったおばあちゃんも今は99歳。
半年前から脳梗塞になり小学校の近くの病院に入院しています。
倒れた当初は、おばあちゃんとの別れを覚悟し、飛行機のチケットを取りました。日を追うごとに、私の声やひ孫の声に目を細めたり、呼びかけに笑ったり、動かなかった右側の手足がリハビリで少し動くまでになりました。
今も必死に生きるおばあちゃん。何歳になっても家族を見守り、生きることの大切さを教えてくれているおぱあちゃんに感謝の気持ちでいっぱいです。
そんな思い出の詰まった須知小学校に是非行ってみてください。
きっと古き良き時代を思い出し、懐かしい気持ちになれると思いますよ。
北海道 千歳市 湊 哲朗 35歳
北海道千歳市
湊 哲朗さん(35歳)からのお手紙