【特集】やる気がおきない 意欲の低下に関する病気とその原因、症状、治療法

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【特集】やる気がおきない 意欲の低下に関する病気とその原因、症状、治療法

意欲が低下するおそれのある病気をまとめました。「最近、やる気がなくなった」それは、うつ病や認知症などの病気のサインかもしれません。また、ほかにも服装や化粧、持ち物といった身だしなみへの関心が低くなるなどが見られる場合、統合失調症の可能性もあります。

認知症

記憶力や判断力が低下し、日常生活への支障をまねく認知症。まずは次のような段階があります。

軽度認知障害とは?

軽度認知障害とは、健常と認知症の間のグレーゾーン状態のことです。この状態になると、記憶力や判断力、物事を組み立てて行う能力、言語能力といった認知機能に多少の低下があるものの、日常生活にはさほど支障はありません。物忘れが目立つようになったなど、日常生活における変化を家族や周りの人がいかに早く気づけるかが重要です。

進行を遅らせるには軽度認知障害の段階で原因を突き止める

軽度認知障害や認知症の原因の60~70%は、アルツハイマー病と考えられています。
進行を遅らせるには、軽度認識障害の段階でしっかりと原因を突き止めて、適切な治療を早期に行うことが大事です。

記憶力低下などの症状がみられる軽度認知障害について知りたい方はこちら

認知症の初期症状チェック

早期発見のために、まず初期症状チェックを行ってみましょう。

認知症初期症状チェック
認知症初期症状チェック

「ニュースなど周りの出来事に関心がない」「意欲がなく、趣味・活動をやめた」といった意欲低下は、認知症の初期にみられる特徴的な症状です。
自分で初期症状チェックを行うほか、家族などにもチェックしてもらいましょう。当てはまる項目が複数ある場合は、医師に相談しましょう。

認知症の原因・初期症状セルフチェックなどについて知りたい方はこちら



うつ病

うつ病の原因

うつ病がどうして起こるのか、まだ十分に解明されていませんが、現在わかっている原因として、「心理的なストレス」「脳内の変化」「なりやすい体質」の3つがあります。これら3つの原因が重なって、うつ病を引き起こしていると考えられます。

うつ病は心の病と思われがちですが、じつは脳の病気でもあります。心理的なストレスとは、過労や対人関係のトラブル、離婚や死別といった生活上の問題が原因となるストレスですが、そうした心理的なストレスがきっかけとなり、そのストレスで脳の働きのバランスが崩れることで、うつ病が発症すると考えられています。

うつ病の特徴的な症状

うつ病の特徴的な症状

体の不調としては、睡眠障害や疲労感・倦怠(けんたい)感、首・肩のこり、頭が重い、頭痛などがあり、心の不調としては、意欲・興味の減退、仕事能力の低下、抑うつ気分、不安・取り越し苦労などが挙げられます。うつ病は、精神科や精神神経科の専門医でも診断が難しい病気です。他の病気のように血液検査や画像検査などで異常を見つけることができないため、詳しい聞き取りを行って診断をつけることになります。

うつ病を診断するときに特に重要なのが、「憂うつな気分」と「何に対しても興味が持てない」という2つの症状です。この2つのうち、どちらかひとつでも、ほとんど一日中、ほとんど毎日、2週間以上続いている場合、うつ病の可能性が高いと考えます。

うつ病のサインに気づくには

うつ病のサインに気づくには

うつ病は本人が気づきにくい病気です。重症になる前に、医療機関を受診して治療を行うためには、家族や周囲の人が気づくことがとても大切です。

うつ病の原因、症状とサインについて詳しく知りたい方はこちら



統合失調症

統合失調症とは?

統合失調症は1つの病気ではなく、症状や経過が似たさまざまな精神疾患が集まって起こる症候群だと考えられています。およそ100人に1人がかかるといわれています。特に、10代後半~30代といった若い世代に発症しやすいという特徴があります。

統合失調症の症状と原因

代表的な症状には陽性症状、陰性症状、認知機能の軽度の障害などがあります。
そのうちの、心の動きや感情表現が乏しくなる「陰性症状」に意欲の低下があらわれます。

統合失調症の原因は、これまでさまざまな研究が行われてきましたが、今のところ明確な原因は分かっていません。しかし、体質的な要因や環境的な要因、過剰なストレスが引き金となって起こることがあると指摘されています。

統合失調症は早期発見・早期治療が大切です。患者さん自身が「自分が病気だ」という認識がないため、周囲の人が病気に気づくことも重要です。

統合失調症の症状のサインについて詳しくはこちら



意欲の低下が起きるその他の病気

意欲の低下をともなう病気は他にもあります。

更年期障害

「意欲がわかない」「疲れがとれない」などの症状は更年期障害が原因の場合もあります。

男性の更年期障害について詳しくはこちら
【特集】女性の更年期障害はこちら

摂食障害

「過食」「拒食」の症状が現れる摂食障害。早く気づき、適切に対応することが大切です。

摂食障害の本人や家族のための治療法はこちら



Q&A

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